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幸村を討て

  • 幸村を討て 第279回 今村翔吾

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     「目算よりも合戦の始まりが遅うございます。今少し足を落としましょう」 「解った。庄右衛門」 勝永が呼びかけると、庄右衛門は小さく首を縦に振った。 「霧のせいでぬかるんでいるところもあります。決戦に備えて馬に大事を取らせ…
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  • 幸村を討て 第278回 今村翔吾

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     「拙者(せっしゃ)は真田左衛門佐家臣、望月(もちづき)重内(じゅうない)。豊前守(ぶぜんのかみ)様に、主君より言伝(ことづて)があります」 戦場の倣(なら)いにて、伝令は馬から降りずとも良いことになっている。勝永を官職…
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  • 幸村を討て 第277回 今村翔吾

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        六文銭 毛利の恋 まるで一間先に白亜の壁があるかのような深い霧の中、毛利(もうり)勝永(かつなが)は粛々(しゅくしゅく)と軍を進めていた。 甲冑(かっちゅう)がじっとりと湿っているからか、擦(す)れて立つ音がやや…
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  • 幸村を討て 第276回 今村翔吾

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     父が想いを込めて付けた己の「信幸(のぶゆき)」という諱。それを徳川家と縁付くにあたって「信之」と改めてしまった。相談しても猛反対をされただろう。故に己の一存で変えたが、父は烈火の如く怒った。その後、父の居室に改めて詫(…
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  • 幸村を討て 第275回 今村翔吾

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     それを止めたのは御屋形様であった。新たに生まれくる弟にその諱を用いれば、生涯に亘って己が苦しみ続けると考えたのだろう。 「俺が見たことは口が裂けても父上に言えない。そもそも家臣の子の名にまで口を出すのは、流石に御屋形様…
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  • 幸村を討て 第274回 今村翔吾

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     やがて一年が過ぎ、捜索に一区切りをつけると決めた父の顔に、悲愴(ひそう)ともいえる覚悟の色が浮かんでいることにも気付いていた。 父とこのことについて語ったことはない。いつでも源四郎が戻れる家を守るという意味で、家名を保…
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  • 幸村を討て 第273回 今村翔吾

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     今、起きている混乱はさらに大きくなる。天下を二つに分かつ未曽有(みぞう)の戦になるのではないか。己は、父に思う儘(まま)生きさせるため家の保全に走り、源次郎はその父の夢を助けるために付き従う。根のところは同じだと思う。…
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  • 幸村を討て 第272回 今村翔吾

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     義父という続柄を除いたとしても、父と異なり源三郎は別に家康が嫌いという訳ではないものの、心情的にはどちらかといえば三成に力を貸してやりたいと思っていた。 だが、それだけで家の大事を決める訳にはいかないし、何より父が反徳…
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  • 幸村を討て 第271回 今村翔吾

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     「ゆるりと話をしていたいが、俺も沼田へ戻らねばならない」 源三郎が話を変えると、源次郎は頬を引き締めて頷(うなず)いた。 「そうだろう」 「で、やるということだな」 「ああ」 単刀直入に切り出す源三郎に対し、源次郎もま…
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  • 幸村を討て 第270回 今村翔吾

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     一方、己の妻小松(こまつ)は、徳川家の宿将本多忠勝(ほんだただかつ)の娘にして、家康の養女という立場。家臣たちの中には、今の真田親子、兄弟の微妙な関係を懸念している者もいるだろう。わざわざこの場で言わず、二人の時に祝う…
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  • 幸村を討て 第269回 今村翔吾

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     横谷兄弟はそれぞれ分かれて、己たち兄弟から片時も離れないのは昔も今も変わらない。つまり庄八郎が上田に戻っているということは、源次郎もいるということを意味するのである。 源次郎は豊臣家の人質である。秀吉は世を去ったとはい…
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  • 幸村を討て 第268回 今村翔吾

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     さらに三年前から沼田城の整備も始め、ようやくこの春に一定程度の完成を見ている。沼田は交通の要衝であることもあって、敵が出(しゅっ)来(たい)した時には狙われやすい。それを鑑(かんが)みれば、これも必要なことだと思い定め…
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  • 幸村を討て 第267回 今村翔吾

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    *  馬上の源(げん)三(ざぶ)郎(ろう)は手(た)綱(づな)を操りつつ空を見上げた。信濃(しなの)の空は蒼(あお)く爽(さわ)やかに晴れ上がっており、燦々(さんさん)と降り注ぐ陽(ひ)が眩(まぶ)しい。 目を細めると代…
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  • 幸村を討て 第266回 今村翔吾

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     家臣たちが一斉にどよめく。そのようなことをすれば、後で家康に咎(とが)められるのではないかと狼狽(ろうばい)している。政宗は皆を見回しながら、静かに、それでいて力強く言い放った。 「我と共に天下を目指した者どもよ。何者…
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  • 幸村を討て 第265回 今村翔吾

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     神保隊は全員が目を血走らせ、真田隊の横腹に向けて突貫した。死兵となった三百は、生に執着する数千、数万より遥かに恐ろしい。真田も精強であるため易々とは崩れないが、この予想外の敵の出現に足止めを食らっている。この場で全て討…
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  • 幸村を討て 第264回 今村翔吾

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     家康は己を疑っている。まさか真田と通じているとまでは思っていないだろうが、この戦で傍観するくらいのことはあると考えているらしい。神保は意を含められおり、真っ先に戦端を開いて、伊達家を後戻り出来ぬようにさせようとしている…
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  • 幸村を討て 第263回 今村翔吾

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     豊臣方は奮戦虚しく、後藤又兵衛、木村重成などの主だった将を失ったこともあり、じりじりと追い詰められていった。 そして五月七日の払暁(ふつぎょう)、豊臣方は最後の決戦に挑むべく大坂城を出立。対する幕府方も天(てん)王(の…
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  • 幸村を討て 第262回 今村翔吾

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     この書状に書かれていることは、兄弟とその近臣しか知らぬ。他家の者に言うのはこれが初めてであると前置きされており、真田家がこの戦で何を目指しているのかが、簡潔に、それでいて熱のこもった文で綴(つづ)られていた。 「退くぞ…
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  • 幸村を討て 第261回 今村翔吾

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     「我が殿の申された通り。やはり勘違いをなさっておられるようですな」 「どういうことだ」 眉間に皺を寄せる政宗に対し、男は凛然(りんぜん)と言い放った。 「真田は最後の時まで夢を追うと」 いつの間に取り出したのか、男の手…
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