倫理

 
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総評と分析

8択式の組合せ問題がすべて消え、一部を除き、2~3行の4つの選択肢から正解を1つ選ぶオーソドックスな設問がメインになった。

昨年度の特徴であった形式面での緩和傾向が続き、受験生にとって取り組みやすい形式の設問がさらに増えた。内容面では、従来と比べてより身近な、一般性や日常性を意識したテーマからの出題が目立った。

問題分析

大問数 大問数は昨年度と同じ4。
設問数 設問数は昨年度と同じ36。
解答数 解答数は昨年度と同じ36。

問題量

  • 全体の分量としては昨年度並み。

出題分野・出題内容

  • 第1問(現代社会・青年期・心理学など)、第2問(東西源流思想)、第3問(日本思想)、第4問(西洋近現代思想)という構成に変化はない。
  • 特に第1問や第2問で、導入部分として、より一般的、日常的なテーマを扱った出題が目立った。基礎的な語句や思潮の本質的な理解を問うような設問も多かった。
  • 資料問題では、第2問ではヒポクラテスがあるべき医療について述べたものが、第3問では藤原惺窩が主君の心のあり方について述べたものが扱われ、やや珍しい傾向となった。また第4問では、ニーチェの「運命愛」を題材とした九鬼周造の文章が出た。
  • なお一部に、坂口安吾、「つう(通)」や「いき(粋)」の美意識、会沢正志斎、西田幾多郎の「絶対矛盾的自己同一」、ライプニッツやダーウィンなど、発展的な知識を問う設問も見られた。

出題形式

  • 昨年度は4題あった8択問題がすべて消え、一部の6択問題などを除いてオーソドックスな4択問題がさらに増加した。なお、提示された2~3つの文の正誤を判定して組み合わせる問題は、昨年度の4題から1題だけになった。

難易度(全体)

  • 全体としてやや難化。複数の文の正誤判定をする問題や、人名や語句の組合せ問題など、8択形式の設問が減った反面、一部にやや発展的な知識を扱う設問もあった。

設問別分析

第1問 (28点満点)

配点 出題内容 難易度
28 現代の社会や心理をめぐる諸問題~家族のあり方をめぐって 標準

親からの子の自立や、家族のあり方をめぐって繰り広げられる高校生同士の会話を題材に、現代社会や心理学の分野から主に出題された。問1では近代以前の社会での、青年期と通過儀礼との関係も問われた。問2は現代の生殖技術をめぐる出題で、やや発展的。問3は例年1題出題される、図表読解問題。問4~6はやや一般常識的な題材だが、問7のトルストイ(文はシュヴァイツァーの立場に基づく)、小林秀雄(同じく丸山真男)、坂口安吾(『堕落論』の内容)などは発展的。問8の現代の思想家の判定もやや難しい。問9は資料読解問題で、引用はロールズ『正義論』から。

第2問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
24 東西の源流思想~病と「癒し」 標準

病とその「癒し」というテーマを扱った本文を題材に、東西の源流思想分野から総合的に出題された。すべての設問が、4つの選択肢文から正解を1つ選ぶというオーソドックスな出題形式。問1のアリストテレスの「可能態」「現実態」、問3の「理」と「気」の理解、問4の「五常」「五蘊」などはやや細かい。問7でスンナ派とシーア派の多数派と少数派の関係が、また問8で「与楽抜苦」としての「慈悲」が扱われ、これらが問われるのは珍しい。問2が資料読解問題だったが、資料文はヒポクラテスの『誓い』で、生命倫理分野にも通ずる医者のモラルについて述べられている。

第3問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
24 日本思想史~心と行為との関わり やや難

日本の先人たちによる、心と行為との関わりをめぐる思索が述べられた本文を題材に、古代から近代までの、日本思想史の分野から総合的に出題された。問1は、全体を通し唯一の複数の文の正誤組合せ問題。問2では栄西と一遍という、やや珍しい2人の事績を取り扱う。問3のaは『平家物語』などを踏まえる。問4の「つう(通)」と「いき(粋)」、問6の会沢正志斎(文は横井小楠などの立場を踏まえる)、問8の西田哲学(「無の場所(絶対無)」および「絶対矛盾的自己同一」)などは発展的。問5の資料読解問題は藤原惺窩『寸鉄録』からで、主君の心のあり方について述べたもの。

第4問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
24 西洋近現代思想史~運命との向き合い方 やや難

「ある日突然、恋に落ちた」という一文から始まる、運命をめぐる思索について述べられた本文を題材に、西洋近現代思想史分野から総合的に出題された。問1は「倫理」には珍しく王権神授説などが扱われる。問2の「イドラ」は基礎的な問題。問3で扱われている題材は、経験論と合理論の間には生得観念の有無をめぐる対立があるというもので、ライプニッツが問われるのも珍しい。問7はダーウィンとスペンサーの立場についてやや詳しく問われている。問5の資料読解問題は、ニーチェの「運命愛」を主題とするが、著者は近代日本の九鬼周造。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度
平均点 67.78点 54.66点 51.84点 53.39点 60.87点
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センター・国公立2次試験日程
1月14・15日 センター本試験
1月21・22日 センター追試験
1月23日~ 国公立2次出願受け付け
2月25日~ 国公立2次前期試験
3月1日~ 前期合格発表(公立大学)
3月6日~ 前期合格発表(国立大学)
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3月12日~ 後期試験
3月20日~ 中・後期合格発表

※日程は変更になる場合があります

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