倫理、政治・経済

 
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総評と分析

倫理分野では、8択問題がなくなった。政経分野では、オーソドックスな出題ながら、図表読解問題が大幅に減った。

倫理分野では、昨年度は2題あった8択問題がなくなり、引き続き受験生にとって解きやすい形式となった。政経分野では、コンパクトシティとふるさと納税という時事問題の出題を除き、従来通りのオーソドックスな出題であった。ただ、図表読解問題が昨年度の半分以下に減ったのが特筆される。

問題分析

大問数 大問数は昨年度と同じ6。
設問数 設問数は昨年度と同じ36。
解答数 解答数は昨年度と同じ36。

問題量

  • 倫理分野では、昨年度通りの問題量。政経分野も、図表読解問題の大幅減少はあったが、全体の問題量は例年通り。

出題分野・出題内容

  • 第1~3問が倫理分野、第4~6問が政経分野という構成は昨年度までと変化なし。
  • 第1問(現代社会・青年期・心理学など)、第2問(東洋・日本思想)、第3問(西洋思想)とも、「倫理」の設問からの抜粋で、例年通り。昨年度同様、基礎的知識のオーソドックスな理解を問う出題が目立ったが、一部に「つう(通)」や「いき(粋)」の美意識、西田幾多郎の「絶対矛盾的自己同一」など、発展的な知識を扱う設問も見られた。
  • 第4問(地域経済統合)は「政経」第1問からの抜粋、第5問(人権保障と間接民主制)は「政経」第3問からの抜粋、第6問(環境問題)は「政経」第4問からの抜粋であった。第6問のコンパクトシティとふるさと納税という時事的出題が目立った程度で、出題内容は全体としてかなりオーソドックスなものであったが、最頻出事項である需要・供給曲線の図は出題されなかった。

出題形式

  • 倫理分野では、8択形式の設問がなくなり、すべて4択もしくは6択形式になった。また、昨年度に引き続き図表の読解問題の出題がなかった。政経分野では、昨年度はなかった、すべてを選ぶ組合せ問題が2問出題されるなど、組合せ問題が計8問(昨年度は7問)出題された。その一方で、図表読解問題が昨年度の5問から2問へと大幅に減った。

難易度(全体)

  • 昨年度と比べ倫理分野が難化。倫理分野では、8択形式の設問がなくなったが、内容に関してやや発展的な設問が多かった。政経分野では、今年度の「政治・経済」にあった難しめ・易しめの設問が減らされており、得点率は平均的な幅に落ち着くと思われる。

設問別分析

第1問 (14点満点)

配点 出題内容 難易度
14 現代の社会や心理をめぐる諸問題(家族のあり方をめぐって) 標準

「倫理」第1問からの抜粋が中心。親からの子の自立や、家族のあり方をめぐって繰り広げられる高校生同士の会話を題材に、青年期や現代社会、現代思想の分野から主に出題された。問1では近代以前の社会での、青年期と通過儀礼との関係も問われた。問2の現代の生殖技術をめぐる出題や、問4の現代の思想家の判定はやや発展的。問5は倫理分野唯一の資料読解問題で、引用はロールズ『正義論』から。図表問題は収録されなかった。

第2問 (18点満点)

配点 出題内容 難易度
18 東洋思想の総合問題(心と行為との関わり) やや難

「倫理」第3問からの抜粋が中心。日本の先人たちによる、心と行為との関わりをめぐる思索が述べられた本文を題材に、東洋源流思想、日本思想史の分野から総合的に出題された。問1は倫理分野唯一の複数の文の正誤組合せ問題。問2で「与楽抜苦」としての「慈悲」が問われたことは珍しい。問3のaは『平家物語』などを踏まえる。問4の「つう(通)」と「いき(粋)」、問5の「五常」「五蘊」、問6の西田哲学(「無の場所(絶対無)」および「絶対矛盾的自己同一」)などは発展的であり難しい。資料読解問題はなく、本文読解問題のみ。

第3問 (18点満点)

配点 出題内容 難易度
18 西洋思想の総合問題(運命との向き合い方) 標準

「倫理」第4問からの抜粋が中心。「ある日突然、恋に落ちた」という一文から始まる、運命をめぐる思索について述べられた本文を題材に、西洋源流思想、西洋近現代思想史の分野から総合的に出題された。問2のアリストテレスの「可能態」「現実態」は発展的。問3の「イドラ」は基礎的な問題だが、問5のダーウィンとスペンサーの立場などはやや細かい。第2問同様、資料読解問題はなく、最後は本文読解問題であった。

第4問 (22点満点)

配点 出題内容 難易度
22 地域経済統合(特別裁判所、国民経済計算、条約、BRICSなど) やや易

第4問は「政治・経済」第1問から8設問を抜粋して構成。ほぼ基礎知識だけで解ける設問が問2(GNP・NNP・NI・GDP)・問3(条約の例)・問5(国連海洋法条約)・問6(日本国憲法の外交の規定)・問8(会社企業)と5問を占めるほか、問1の正解(皇室裁判所)は設問文の「特定の身分」からすぐ分かってしまう。それに対して、問5(BRICS)は、アが中国、ウがブラジルを指すと分かれば消去法で解けるが、ロシア経済はあまり学習しないのでやや難しい。問7(金融)では、伝統的な金利政策(無担保コールレート誘導を含む)と非伝統的な量的緩和政策などとの対比的な理解が問われた。

第5問 (14点満点)

配点 出題内容 難易度
14 人権保障と間接民主制(憲法、新しい人権、地方自治など) やや易

第5問は「政治・経済」第3問から5設問を抜粋して構成。問1(人身の自由)から問4(日本国憲法の国会の規定)までの設問は基礎知識だけで正解に至るので易しい。唯一、問5(日本の地方自治制度)では、首長の不信任決議の成立要件(過半数でなく4分の3以上の特別多数決)の知識が必要であった。出題形式では、該当するものをすべて選ぶ組合せ問題(問3)はあるが、図表読解問題がなく、大半はオーソドックスな正誤判定問題であった。

第6問 (14点満点)

配点 出題内容 難易度
14 環境問題(経済学者、国債発行額、環境保全の手法など) 標準

第6問は「政治・経済」第4問から5設問を抜粋して構成。問1(経済学者)や問5(環境保全の条約など)は基礎知識だけで正解に至る。問2(国債発行額などの推移)では、消費税率5%の時期が1997~2013年度であったという知識が必要であった。問3(市場メカニズムによる環境保全のアプローチ)では、炭素税などによる誘導と直接的な環境規制の対比的な理解が問われた。問4(ふるさと納税など)は時事的な問題で、「コンパクトシティ」の知識が必要であった。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度
平均点 73.08点 66.63点 60.5点 59.57点 67.29点
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センター・国公立2次試験日程
1月14・15日 センター本試験
1月21・22日 センター追試験
1月23日~ 国公立2次出願受け付け
2月25日~ 国公立2次前期試験
3月1日~ 前期合格発表(公立大学)
3月6日~ 前期合格発表(国立大学)
3月8日~ 公立中期試験
3月12日~ 後期試験
3月20日~ 中・後期合格発表

※日程は変更になる場合があります

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