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総評と分析

全体として例年通りの出題形式であり、取り組みやすい問題が中心であった。

現代文は評論で会話文に基づく問題が出たが、昨年度のような図を伴う問題は出題されなかった。古文は、御伽草子からの出題で、平易な文で読み取りやすい。漢文は例年通りの問題だが、込み入った内容で、本文の通読にやや時間がかかる。

問題分析

大問数 大問数は、昨年と同様の4。
設問数 設問数は、昨年に比べ漢文で1増えたため、全体としては1増の25。
解答数 解答数は、昨年と同様の36。

問題量

  • 評論は昨年よりも約400字程度減少し約4200字、小説は約300字程度増加し約5000字、古文は約400字程度増加し約1700字、漢文は2字減少し185字。

出題分野・出題内容

  • 近代以降の文章2題(評論・小説)、古文1題、漢文1題という構成は昨年と変化なし。
  • 第1問は沼野充義「翻訳をめぐる七つの非実践的な断章」、第2問は上林暁「花の精」、第3問は室町時代成立の御伽草子『玉水物語』、第4問は『杜詩詳註』からの出題。
  • 現代文の評論は翻訳に関する平易な文章で、文体はエッセイに近い。小説は妻が病気で不在となり、心の空白を抱える「私」が月見草によって癒されていく様子を描いた作品。古文は、見初めた姫君の側に仕えるために、美しい女房姿に化けた狐の話。漢文は、杜甫が養育してくれた叔母に真心から感謝を示した銘文を書いたという逸話。

出題形式

  • 現代文は評論で会話文に基づく問題が出題されたが、それ以外は小説も含めて従来通りの設問構成だった。
  • 古文は例年通りの設問構成だが、和歌のやりとりをからめて、人物の描かれ方を問う設問が見られた。
  • 漢文は、本文の内容や重要語の理解を求める例年通りの設問構成だった。

難易度(全体)

  • 総じて昨年度より易化。一部に紛らわしい設問を含むものの、全体として本文の大意は読み取りやすく、設問も取り組みやすい。

設問別分析

第1問 (50点満点)

配点 出題内容 難易度
問110 漢字の知識を問う問題
問2 8 傍線部内容理解問題 標準
問3 8 傍線部理由説明問題 標準
問4 8 傍線部内容理解問題 標準
問5 8 会話文形式による趣旨把握問題 やや難
問6 8 表現と構成に関する問題 標準

出典は沼野充義「翻訳をめぐる七つの非実践的な断章」による。「翻訳の難しさ」「こなれた訳と直訳」など、翻訳に対する考えや訳し方について筆者の実体験を交えつつ述べた平易な文章。生徒が話し合う場面を想定した会話文を用いた設問(問5)は昨年度に続くものだったが、本文の趣旨理解に関わるものであり難度は高めであった。常用漢字の知識(問1)、本文の内容理解(問2~問5)、本文の表現と構成・展開に関する問い(問6)という設問構成は例年と同じ。

第2問 (50点満点)

配点 出題内容 難易度
問19 語句の意味説明問題 標準
問2 7 心情説明問題 標準
問3 8 心情説明問題 やや難
問4 8 心情説明問題 やや易
問5 8 心情説明問題 標準
問6 10 表現理解問題 やや難

小説の全文ではなくその一節からの出題(3年連続)。時代背景の古さはあるものの、全体のストーリーは捉えやすく、比較的読みやすい文章だった。ただし、設問では例年同様、明確な根拠を求めにくい問題が見られるため、文章を客観的に読み、消去法も活用しながら冷静に対処することが求められた。問1は辞書的な意味を押さえることがポイント。問3は根拠が薄く、解きにくく感じた受験生もいたと思われる。問2・問4・問5は誤りの選択肢が明確なので、主観を交えずに消去法でうまく対処したい。問6はやや判断に迷う選択肢が含まれているため、慎重に正誤を見極めることが求められた。

第3問 (50点満点)

配点 出題内容 難易度
問115 語句の解釈問題
問2 5 敬語の敬意対象識別問題 やや易
問3 7 心情説明問題
問4 7 心情説明問題 標準
問5 8 理由説明問題 標準
問6 8 人物描写説明問題 標準

出典は室町時代の御伽草子『玉水物語』。センターでは頻出の、中近世擬古物語の流れを汲む出題。本文量は昨年度より大幅に増えたものの、平易な文体で、姫君に恋した狐が人間の娘に化けて、ある家の養女となり、そこから姫君の家に出仕して「玉水の前」と呼ばれ寵愛される、という展開が押さえられれば、内容もつかみやすい。訳読や語句解釈問題は、基本的な語彙力で対応可能だが、心情説明問題では、狐の言動の真意を深く掘り下げて読み解くことが求められる。なお文中には、連歌や和歌が登場するが、歌意の理解は内容把握にも設問解答にも必要とはされておらず、また文学史・古文常識の絡む設問も特になかった。

第4問 (50点満点)

配点 出題内容 難易度
問18 漢字の意味問題 標準
問2 7 傍線部説明問題 標準
問3 7 傍線部理由説明問題 標準
問4 6 書き下し文と解釈の問題 標準
問5 7 傍線部説明問題 標準
問6 7 傍線部説明問題 標準
問7 8 傍線部説明問題 標準

出典は『杜詩詳註』。本文は、杜甫が叔母のために書いた銘文についての話で、大意は理解しやすい。ただし煩雑な注を慎重に読まねば本文の理解が難しく、通読にやや時間がかかる。問1は「乃」がややまぎらわしい。問2は傍線部以後の内容をまとめればよい。問4は句法や重要語からではなく、内容から白文の読みや意味を考える必要があった。それ以外はいずれも傍線部の説明問題で、やや内容理解を重視する傾向が見られる。ただし問5の正誤には「卒」の理解が必要であるなど、従来通り、漢字や熟語の正しい理解が前提となっているものが多い。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度
平均点 104.68点 106.96点 129.39点 119.22点 98.67点
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センター・国公立2次試験日程
1月14・15日 センター本試験
1月21・22日 センター追試験
1月23日~ 国公立2次出願受け付け
2月25日~ 国公立2次前期試験
3月1日~ 前期合格発表(公立大学)
3月6日~ 前期合格発表(国立大学)
3月8日~ 公立中期試験
3月12日~ 後期試験
3月20日~ 中・後期合格発表

※日程は変更になる場合があります

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