日本史B

 
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総評と分析

来年度の共通テストを意識してか視覚資料問題が再び取り上げられたが、 戦後史の問題は1問へ減少し、平成の問題はなかった。

時代別では原始・古代から戦後まで出題されていたが、戦後史からの出題は1問のみであり、ややバランスを欠いていた。分野別では、第1問は文化史中心、第3問~第5問は社会・経済史中心の問題で、全体として政治史の問題は減少した。設問内容では、視覚資料が出題されたものの、比較的取り組みやすい問題であった。

問題分析

大問数 大問数6で昨年から変更はない。
設問数 小問数36で昨年から変更はない。
解答数 解答数36で昨年から変更はない。

問題量

  • 昨年とほぼ同じ。

出題分野・出題内容

  • 第1問テーマ史、第2問古代史、第3問中世史、第4問近世史、第5問近代史、第6問近現代史。
  • 第1問テーマ史は昨年に続き会話文形式の問題。
  • 第1問テーマ史では、教育を通じて様々な考え・立場が尊重される社会の実現の重要性を示唆する内容が盛り込まれている。
  • 第4問は「中世末~近世史」の問題文ではあったが、設問はほぼ近世史の問題であった。
  • 第6問は風刺漫画をテーマとした近現代史の問題であったが、風刺漫画自体を取り上げた問題は1問のみであった。

出題形式

  • 出題形式では、昨年全く出題されなかった写真や絵などを使った問題が復活した。
  • 史料問題は昨年と同数であり、いずれも読み取り重視の問題であった。

難易度(全体)

  • 全体として昨年度よりやや易化した。昨年度と比較して、受験生が苦手とする社会・経済史に関わる問題が増加し、かつ曖昧な知識では足をすくわれかねない問題も見られた。しかし、視覚資料問題や史料問題はいずれも解答しやすく、戦後史も大幅に減少したことなどから、全体としてはやや易しくなったといえる。

設問別分析

第1問 (16点満点)

配点 出題内容 難易度
A7 古代~近代の文化 標準
B 9 古代~近代の文化 標準

古代から近代までの教育に関するテーマが据えられ、設問も文化史を中心とした出題となった。問2のXは藤原氏の大学別曹が何かを踏まえた上で、図を見る必要があった。問3は(3)の懐徳堂の所在地や、(4)の国民学校が日中戦争期に該当するかどうかで迷っただろう。問5のYは受験生がキーワードと認識できるものが特に無く、国学についてしっかりと学習しているかがポイントとなった。問6は史料の読み取り問題と近代思想史についての知識問題で構成された。史料の読み取りは、注釈も活用すれば難しくないものであった。

第2問 (16点満点)

配点 出題内容 難易度
A8 原始~古代の政治・社会 標準
B 8 古代の政治・文化 標準

古代の辺境支配をテーマに、政治・社会・文化が問われた。問1のアは、空欄直前の「8世紀初め」や「九州南部」から大隅国を選ぶ。問2は、cの貝塚文化もヒントにbが誤りであると気づきたい。弥生時代の北海道には水稲耕作は伝わらず、漁労や狩猟に基礎を置く続縄文文化が続いた。なお、dの種子島・屋久島が支配領域に組み込まれたのは8世紀初め頃のこと。問4のウについては、蝦夷との長い戦いが続くきっかけとなったことから、伊治呰麻呂を選びたい。問3と問6の資料問題は、注釈を参考にしながら解くことが出来るかがポイント。

第3問 (16点満点)

配点 出題内容 難易度
A8 中世の政治・社会・文化 標準
B 8 中世の政治・経済・文化 標準

中世の政治・経済・社会・文化について問われた。問2は地頭の非法を示す有名な史料であるが、正答を判断するには、注釈を含めて内容をよく読まなければならない。問3は天竜寺や建仁寺、大原女や桂女が、いずれも京都に関する知識であることを理解している必要がある。問4(2)の「悪党」は、中世史の中でも理解が難しいが、重要な用語である。問6のIの「問(問丸)」は、鎌倉時代に年貢などの運送や保管を行った。室町時代になると、彼らは委託販売業務も担当する問屋となっていくので、両者の区別に注意したい。

第4問 (16点満点)

配点 出題内容 難易度
A8 中世~近世の経済 標準
B 8 近世の社会・経済 やや難

中世末から近世までの社会・経済を中心とした出題であり、受験生にとっては取り組みにくい問題も見られた。問1のアは空欄前に「中国地方」とあることがポイント。石見銀山は島根県、生野銀山は兵庫県である。問4は(1)の桐生と西陣の関係、(3)の製塩法の変遷など、判断に迷う選択肢が多い。問5の(4)は一見正しい内容に見えるが、国訴は関東ではなく畿内地方で発生したため誤りであり、細かい。問6は史料を読み取れれば解答できるが、内容がやや読みにくい。

第5問 (12点満点)

配点 出題内容 難易度
12 近代の政治・外交・社会 やや難

幕末~明治時代前期の民衆運動をテーマとする出題。設問は単純な語句知識ではなく、内容的な判断が求められるものとなっていた。問2は、(4)が五品江戸廻送令であると判断できるかがポイント。(2)の株仲間解散は天保の改革時の政策で、開港後の経済政策に関するものではないので注意。問3のIは地名が出ていないが、「困民党」から秩父事件と判断したい。問4は、(2)の二科会はやや細かいが、2015年度にも出題がある。(3)もやや細かい事項である。

第6問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
A9 近代の政治・外交・社会 標準
B 9 近代の政治・外交・文化 標準
C 6 近現代の社会・経済 標準

近現代の風刺漫画をテーマとした出題。設問は比較的取り組みやすいものが多い。問2は、Iの台湾出兵とIIIの西南戦争の前後関係には迷ったかもしれない。問3は、(2)の「民衆反乱」は義和団事件のことで、日露戦争前の出来事である。問4は大戦景気に関する問題で、(1)の判断がポイントとなっただろう。経済・産業は発展する一方で、都市労働者や下層農民の生活は困窮した。問5のXはaの石橋湛山。北一輝は二・二六事件に影響を与えた国家主義思想家である。問8は戦後からの出題で、視覚資料を用いているが、解答しやすいものであった。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度
平均点 63.54点 62.19点 59.29点 65.55点 62.01点
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センター・国公立2次試験日程
1月18・19日 センター本試験
1月25・26日 センター追試験
1月27日~ 国公立2次出願受け付け
2月25日~ 国公立2次前期試験
3月1日~ 前期合格発表(公立大学)
3月6日~ 前期合格発表(国立大学)
3月8日~ 公立中期試験
3月12日~ 後期試験
3月20日~ 中・後期合格発表

※日程は変更になる場合があります

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