生物

 
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総評と分析

問題ページ数・設問数・解答数が昨年よりも増加しているものの、図表の数は大幅に減少しており、内容的にも基本的なものが目立ったことから、比較的取り組みやすい出題であったといえる。

必答問題の各大問はA・Bに分割されることで、生物全分野から標準的な内容が幅広く出題されている。選択問題は、ミクロな視点からバイオテクノロジー、マクロな視点から進化と分類という大きく異なった捉え方からの出題となった。

問題分析

大問数 大問数は7で、第1問~第5問は必答、第6問・第7問から1題選択は昨年と同じ。
設問数 全設問数は33で昨年(29)より増加、選択によって設問数には差が生じなかった。
解答数 全解答数は38で昨年(35)よりやや増加、選択によって解答数に差が生じた。

問題量

  • 選択問題を含めて考慮すると、問題ページ数はともに34ページで、昨年(29ページと30ページ)より増加した。それに対して、図・表・グラフの数はともに15であり、昨年(21と22)よりも大幅に減少している。また、組合わせ解答は20と昨年(14)に比べ増加した。選択肢数は9個の設問が3題と昨年より多く出題されている。

出題分野・出題内容

  • 第1問は「生命現象と物質」から、第2問は「生殖と発生」から、第3問は「生物の環境応答」から、第4問は「生態と環境」から、第5問は「生物の進化と系統」から出題された。第6問と第7問は選択問題であり、第6問ではミクロな視点から「バイオテクノロジー」が、第7問ではマクロな視点から「生物の進化と分類」が出題されている。
  • 知識問題は教科書レベルの基本的な知識の組み合わせですぐに解答を選べるものが多く、また考察問題も総じて取り組みやすかった。
  • 昨年同様、遺伝情報の発現に関連させた内容が、複数の大問で扱われている。

出題形式

  • 第1問から第5問までの大問はA・Bの2分割形式であるのに対し、選択問題の第6問と第7問は分割されておらず、また配点も10点と少なかった。

難易度(全体)

  • 昨年並み。問題の分量が大幅に増加しているものの、全体的に基礎知識と標準的な考察力で解答できる問題が多く比較的取り組みやすかった。比較的易しい前半を要領よく的確に解答し、やや難度の高い後半の大問でどれだけ時間を使えたかどうかによって得点に大きく差が出ると思われる。

設問別分析

第1問 (18点満点)

配点 出題内容 難易度
A10 遺伝情報の発現の調節
B 8 細胞周期 やや易

A:問1・2は原核生物のラクトースオペロンについて、問3は真核生物の遺伝子について、転写調節に関する基本的な知識が出題された。B:細胞周期に関する定石的な思考問題。問4は図1から細胞周期が20時間であることを読み取れば、20時間×10%ですぐに解答が得られる。問5の図2は様々な大学の入試問題で頻出のグラフであり、類題を解いたことのある受験生であれば平易であっただろう。

第2問 (18点満点)

配点 出題内容 難易度
A9 母性因子のはたらき やや難
B 9 ABCモデル、減数分裂 標準

A:問1は細胞の分化のしくみに関する理解が問われた。問2は、定石的な問題が中心な本試験の中ではめずらしく、推論を導くために必要不可欠な実験結果の組合せを選ぶという探究活動的な問題であり、対照実験も忘れずに選ばなくてはならずやや難しかった。問3は標準的な考察問題である。B:問4は被子植物のABCモデルに関する問題。文章の読解と考察でも解答できるが、相応の知識があれば短時間で解答を導ける。問5は減数分裂に関する基本的な知識問題だが、「減数分裂に入る前の細胞」がDNA複製前の細胞を指していることを選択肢中の数値から読み取る必要があった。

第3問 (18点満点)

配点 出題内容 難易度
A9 動物の受容と反応、生得的行動 やや易
B 9 植物の環境応答 標準

A:問1は眼の遠調節、問2はヒトの神経と筋肉の興奮に関する基本的な知識問題。問3はガの生殖行動の解発に関する標準的な実験考察問題。B:問4・5は植物の乾燥ストレスに対する反応を題材とした実験考察問題。図1より変異体Dはアブシシン酸を合成できないこと、図2より変異体Cはアブシシン酸に応答して遺伝子Xを発現することができないことがわかる。問6は種子の発芽に関する基本的な用語が問われた。

第4問 (18点満点)

配点 出題内容 難易度
A10 個体群間・個体群内の関係 標準
B 8 植物の成長量 やや易

A:問1はアリとアブラムシの種間関係や植物への間接効果について、問2は個体群の絶滅の要因について、理解が試されている。問3は社会性昆虫の役割分担について、ヘルパーとワーカーの違いを理解している必要があった。B:問4は物質収支の基本知識。問5の実験考察問題は、図1から読み取った内容を的確な文章で表現できるかを、空欄補充をさせることで試す内容であった。

第5問 (18点満点)

配点 出題内容 難易度
A9 分子進化 標準
B 9 植物の進化 やや難

A:問1は遺伝子頻度の変化に関する理解が問われた。問2は遺伝子頻度の基本的な計算ができればグラフは容易に選べる。各遺伝子型頻度は、WW:0.8×0.8、Ww:0.8×0.2×2、ww:0.2×0.2。問3は、非同義置換が少ない遺伝子ほど、個体の生存や繁殖に必要な遺伝子であることが読み取れればよい。B:問4は代表的な植物の近縁関係に関する知識が問われた。問5は植物の陸上進出の地質時代を選べばよい。問6の実験考察問題は表2の数値を適切に処理する必要があり、やや難しかった。

第6問 (10点満点)

配点 出題内容 難易度
10 バイオテクノロジー やや難

問1は、酵素Xのアミノ酸配列の違いがその機能や細胞内での存在部位に与える影響を調べる実験であるが、実験結果を丁寧に比べていけば比較的容易に正答にたどりつく。問2では、mRNA-A〜Cの二つ目のmRNA断片を比較すると、終止コドン前の塩基の数が、Aで20個、Bで11個、Cで5個となり、AとCの差15個がアミノ酸の数では5つ分になるので、X1の末尾7つとX2の末尾2つの差に合致することになる。問3は植物の光受容体が受光する光と受光した際のはたらきに関して、正確な知識が求められている。

第7問 (10点満点)

配点 出題内容 難易度
10 生物の進化と分類 標準

問1は大気組成の変化に関する理解と、先カンブリア時代の生物群の知識が求められているが、「軟らかいからだをもった多細胞生物」がヒントとなろう。問2は節足動物を代表させて、旧口動物と新口動物、体節の有無などを他の動物群と比較させる設問であるが、正確な知識が必要となる。問3は薄層クロマトグラフィーで分離実験した色素から、陸上植物と藻類の系統関係を考察させる内容だが、緑色植物の色素の理解が正答への鍵となる。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度
平均点 62.89点 61.36点 68.97点 63.62点 54.99点
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※日程は変更になる場合があります

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