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倫理

 
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総評と分析

形式面では試行調査よりもセンター試験に近く、冒険的な問題は少なかった。ただし内容面では会話文を中心に読解量が増加し、導入文も高校生目線のものが多くなった。

新形式を意識し工夫を凝らした設問もあったが、形式面では従来型のものが多かった。内容面ではより高校生目線となり、日頃の学習や日常生活を意識させるような会話文が目立った。また第4問ではグローバル化というテーマが出題された。全体として会話文を中心に読解要素が多かった。

センター試験・試行調査との相違点(第1日程との相違点)

  • センター試験的な正誤判定問題が残る一方、新形式を意識した読解問題もみられた。2018年度の試行調査と比べて、形式面では踏襲しているものもあったが、任意選択型問題など全く出なかったものもあった。第1日程ではセンター試験と類似の評論形式のリード文も出題されたが、第2日程では会話形式のリード文が中心となった。また第1日程のグラフ問題で扱われたのは思考力を試す社会実験だったが、第2日程では従来型の意識調査に関する問題。原典資料に関しては第1日程の9から5に、図版はグラフ1つを含んで3にそれぞれ減少し、求められる知識はやや細かくなった。

問題分析

大問数 4
設問数 33
解答数 33

問題量

  • 原典資料が5、図版はグラフ1つを含んで3つ収録されていた。会話文等が多く、センター試験よりは情報の処理量が増えた。

出題分野・出題内容

  • 第1問(東西源流思想)、第2問(日本思想)、第3問(西洋近現代思想)、第4問(現代社会・青年期・心理学など)と、問題編成に変化がみられた。
  • 第2問では「田楽舞」や「柔道」が扱われた。「柔道」の「道」という語に着目し、何気なく使っている名前や言葉にも何らかの思想が含意されている場合があるという、学習の気づきになるような出題があった。第4問では国際社会の一員としての意識形成を促すような問題も出題され、ポルトガル語と日本語・カナ表記の混ざった看板の絵が出題された。
  • グラフ問題では、センター試験と同様、国民意識調査のアンケート結果が扱われた。
  • 折口信夫、手島堵庵、ウィトゲンシュタイン、フランスの哲学者シモーヌ・ヴェイユ、現在も存命のカナダの政治哲学者チャールズ・テイラー(「コミュニタリアニズム」)などが出題された。一般的に受験生が知らない思想家については読解で正解を得られるようになっている。全体的には頻出の人物・事項からの出題が多かった。

出題形式

  • 試行調査で出題されたような、複数選択・任意選択などを含んだ複雑な形式の問題は出ず、形式面では保守的であった。

難易度(全体)

  • 昨年度のセンター試験と比べて難易度は同程度。図版を使った問題は少なかったが会話や資料の読解は多く、問われる知識も細かかった。試験問題としては苦戦した受験生もいるかもしれないが、試行調査(2018年度)と比べると難易度はやや易化。

設問別分析

第1問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
12 「自然と人間」について(東西源流思想・その1) 標準
12 「自然と人間」について(東西源流思想・その2) 標準

「自然と人間」をめぐる会話やレポートを題材に源流思想の分野から出題された。問1ではやや細かい「菩薩」の実践徳目やウパニシャッド哲学に関する出題。問2は朱熹や大乗仏教、イスラーム、キリスト教からやや内容に踏み込んだ出題。問3はキリスト教の「創世記」に関する出題。問4は短い二つの資料読解問題で、引用は『荀子』と『老子』より。問5はヘラクレイトス・ピタゴラスそれぞれの思想理解を確かめる出題。問6は縁起思想についての正しい理解及び思考力を試す問題。問7はムハンマドに関するやや細かい出題。問8は、知識としては正しい選択肢(文章)を、前後の文脈に整合するようレポートの空欄に補充する問題。

第2問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
6 日本文化における「道」について(日本思想・その1) 標準
6 日本文化における「道」について(日本思想・その2) 標準
12 日本文化における「道」について(日本思想・その3) やや難

「道」というテーマに沿った出題が多く、人物や事項に関する知識問題はやや細かかった。問1は「田楽舞」の写真を参考に折口信夫に関する正誤判定。問2は近代日本の思想家から柳宗悦が出題された。問3は日本古来の信仰に関する問題。問4は歌人の与謝野晶子が出題された。問5は中江藤樹についての知識問題。問6は栄西、最澄、日蓮に関するやや細かい正誤判定。問7は近世の思想家の仏教批判についての知識問題で、手島堵庵の出題は珍しかった。問8は和辻哲郎の思想に関する資料読解問題で、引用は『人間の学としての倫理学』から。

第3問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
6 「幸福とは何か」(ルネサンス・宗教改革期) 標準
6 「幸福とは何か」(17~19世紀におけるイギリスの思想) 標準
12 「幸福とは何か」(18~20世紀におけるフランスの思想) 標準

「幸福とは何か」をテーマに時代ごとの出題。問1は「万能人」とされたレオナルド=ダヴィンチの組合せを選ぶ問題で易しかったと思われる。問2はカルヴァンに関するレポートの空欄補充。問3は功利主義者ベンサムとミルについての正誤問題だが、ミルに関しては頻出の「質的快楽」だけでなく「他者危害の原則」もしっかり学習しているかが試された。問4はカントの道徳思想に関してよく理解しているかをみる問題。問5はライプニッツに触れたヴォルテールの『リスボン大震災に寄せる詩』を読んで答える、知識と読解の融合問題。問6はマルクスの「労働からの疎外」についての正確な内容理解が問われた。問7はシモーヌ・ヴェイユの思想に関する読解問題。聞きなれない人名に戸惑った受験生もいたかもしれないが難易度は標準程度。問8は幸福に関する会話の読解問題。

第4問 (28点満点)

配点 出題内容 難易度
28 グローバル化の諸問題(心理学、現代倫理、現代哲学) 標準

「グローバル化」をテーマにした出題。問1は日本におけるハラールの提供やヘイトスピーチなど現代社会的な出題。問2は「日本人の生活水準を上げることと外国人を助けること」の優先度に関する意識調査を題材にしたグラフの読解問題。問3はレヴィンの「葛藤」についての問題。問4は生命倫理の分野から「顕微授精」「iPS細胞」などが出題された。問5は言語をめぐるウィトゲンシュタインの問題で、前期の思想である「写像理論」と後期の思想である「言語ゲーム」の両方が選択肢にありやや難しかったと思われる。問6はG・H・ミードやハーバーマスを選ぶ知識問題。問7は防衛機制についての出題。問8は共同体主義に関する読解問題で引用はチャールズ・テイラーの『自我の源泉』から。問9はポルトガル語と日本語の併記された看板を題材にした会話補充問題。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度
平均点 65.37点 62.25点 67.78点 54.66点 51.84点
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