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眼光炯々・松本薫が「金」…一転その目に涙

柔道女子57キロ級で金メダルの松本選手(写真は準決勝)(30日、エクセルで)=多田貫司撮影

 【ロンドン=児島圭一】日本の金メダル第1号は、最後まで闘争心をむき出しにして挑んだ「野性児」がもぎ取った。

 ロンドン五輪柔道女子57キロ級は30日、松本薫選手(24)が頂点に立った。柔道男子73キロ級決勝で惜しくも敗れた中矢力選手(23)は、畳の上であおむけに横たわり、ぼう然と空を見つめた。 

 金メダルが決まった瞬間、松本選手はそれまでの険しい表情から一転、柔道着の袖で何度も涙をぬぐった。

 畳を下りると涙で顔をくしゃくしゃにしながら園田隆二監督(38)のもとに駆け寄った。松本選手は「(日本の)48キロ級、52キロ級の選手も一緒に頑張ってきた。自分1人だけの金メダルじゃない」と話した。

 「お前の目は世界を取れる目だ。何が何でも相手を打倒するんだという強い意志が宿っている」。高校3年の時、帝京大柔道部監督(当時)の稲田明さん(66)からこう誘われ、同大に進んだ。稲田さんは五輪2連覇の谷亮子さん(36)の指導者だ。

 強い意志は、むき出しの闘争心となって現れ、時に「野性児」と呼ばれた。

 相手と激しくぶつかり合い、大学1年で鼻骨、2年で右ひじを骨折した。4年の世界選手権では右手甲を骨折しながら2試合を戦ったが、5位に沈み、痛みと悔しさで涙がこぼれた。「私生活で甘いところがあるからけがをする。全てを柔道のために使え」。全日本女子の園田監督に諭され、ようやく目が覚めた。

2012年7月31日09時36分  読売新聞)
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