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バドミントン日本代表ヘッドコーチ 朴柱奉(51)

「勝つ意識」鍛え上げる

  • 練習から勝利への意識を徹底させる朴柱奉ヘッドコーチ
    練習から勝利への意識を徹底させる朴柱奉ヘッドコーチ

 2012年ロンドン五輪女子ダブルスで、バドミントンで史上初のメダルとなる銀メダル。そこから、日本勢の勢いが止まらない。14年には国・地域別対抗戦のトマス杯(男子)で初優勝し、ユーバー杯(女子)も準優勝。15年の世界選手権では過去最多となる3個のメダルを獲得した。

 04年アテネ五輪で、日本勢はわずか1勝。その直後にヘッドコーチに就任した際の日本選手の印象を語る。

 「負けても悔しがらず、関係ないというような顔だった。気持ちが弱く、勝てそうな試合も負ける。でもパワーもスピードもあって、伸びる可能性は感じた」

 就任当時の代表は遠征前の合宿もなく、空港での集合、解散が当たり前。代表チームの意識も薄かったが、08年の味の素ナショナルトレーニングセンターの開館を追い風に、選手たちを合宿で鍛え上げるスタイルを定着させた。五輪など数多くの国際大会を制した「ダブルスの神様」が、勝負強さを培うために重きを置くのが、単調なフットワークの反復や、サーブを繰り返し打つ、基本の徹底だ。

 「練習は試合と、試合は練習と一緒。練習から絶対に勝つという気持ちが必要。練習で打てないショットが、プレッシャーのかかる試合で打てますか」

 柔らかな物腰ながら、言葉には覇気が満ちる。選手たちには、世界ランクのポイント稼ぎのため安易に格下の大会に出ることを認めず、レベルの高い相手に挑むよう指導してきた。

 5月初めの世界ランクで決まるリオデジャネイロ五輪の出場権争いは、3月から終盤に突入する。日本リーグも控えた今年1月、沖縄での代表合宿では選手たちに砂浜でダッシュやジャンプを繰り返させ、体をいじめ抜かせた。厳しい五輪レースを最後まで戦い抜くため、妥協はしなかった。

 「以前は勝負できたのは女子ダブルスだけだったが、全種目でレベルが上がった。選手たちはバドミントンが面白くなっているはず。リオでは男女のシングルスとダブルス、4種目でメダルにトライする」

 日本をバドミントン強国に育て上げ、さらに上を見据える。(杉野謙太郎)

 パク・ジュボン 1964年生まれ。韓国代表で92年バルセロナ五輪男子ダブルスで金メダル、96年アトランタ五輪混合ダブルスは銀。マレーシア、韓国などでコーチ経験を重ね、2004年11月に日本代表ヘッドコーチ。

【こんな人】褒めるのが珍しい

 日本代表で日本ユニシス主将の数野健太(30)「『ベストを尽くさない選手がどうやって世界をとれるんですか』と練習では口酸っぱく言っています。褒められるのは珍しく、朴さんから握手やハイタッチをしてくれる時は、求められたパフォーマンスができたんだとうれしくなります」

2016年02月29日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun