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リオ便り

子供たちのスポーツ環境改善への試み

  • リオデジャネイロ五輪のゴルフ会場では、リオ市内の子供たちを集めたゴルフ体験教室が開かれた(3月8日)(リオデジャネイロで)=畔川吉永撮影
    リオデジャネイロ五輪のゴルフ会場では、リオ市内の子供たちを集めたゴルフ体験教室が開かれた(3月8日)(リオデジャネイロで)=畔川吉永撮影
  • 五輪・パラリンピック開催をきっかけにリオ市内の小中学校では従来のスポーツ環境を改善する動きが生まれている(昨年11月17日)(リオデジャネイロで)=畔川吉永撮影
    五輪・パラリンピック開催をきっかけにリオ市内の小中学校では従来のスポーツ環境を改善する動きが生まれている(昨年11月17日)(リオデジャネイロで)=畔川吉永撮影

 3月上旬、1904年セントルイス(米)五輪以来112年ぶりに正式競技に復帰したゴルフのリオデジャネイロ五輪テストイベントが、リオ市内で行われた。

 熱戦を展開する会場の一角の練習場では、真剣な表情でクラブを振る子供たちの姿があった。ワラセ・ダ・シルバ君(12)は「今までサッカーしか知らなかったけれど、芝生の上でボールを打って楽しかったよ」と喜んだ。子供たちは近くの公立学校からゴルフの体験に招かれたといい、指導した男性コーチは「ブラジルではまだまだマイナーなゴルフに興味をもってもらうきっかけになった」と話した。

 南米初の五輪・パラリンピックを契機に、ブラジルでは、子供たちを取り巻くスポーツ環境を改善しようと様々な試みが行われている。このうち、五輪・パラリンピック大会組織委はリオ市や競技団体と協力し、ファベーラと呼ばれる貧困層の居住区などで五輪スポーツの体験イベントを月1回のペースで実施。これはスポーツ環境の変化を意味する「トランスフォルマ(Transforma)計画」の一環で、昨年末まで計1万3000人の子供が集まっている。同計画では、学校でのスポーツ振興も目指し、体育の授業に新しいスポーツを取り入れたい教師を対象にルールや指導方法を学ぶ講座も定期的に開催。すでに教師が指導講座に参加した学校はブラジル全国で5400校超に上っている。

 ブラジルではストリートサッカーやプロクラブの育成組織など、一部の子供たちが限られた場所でスポーツに打ち込む一方、授業が午前中か午後の半日しか行われない小学校や中学校では体育の授業は週1回程度で内容も乏しかった。さまざまなスポーツに目を向けさせる挑戦は「五輪レガシー(遺産)」として、今後もさらに注目を集めそうだ。(リオデジャネイロ支局・畔川吉永)

2016年03月25日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun