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リオ便り

スポンサーも<五輪レガシー>に一役

  • 五輪に使用する車両の引き渡しイベントが「サンボドロモ」で開かれ、地元のサンバチームが華麗な踊りを披露した(リオデジャネイロで)
    五輪に使用する車両の引き渡しイベントが「サンボドロモ」で開かれ、地元のサンバチームが華麗な踊りを披露した(リオデジャネイロで)
  • 五輪公式エンブレムが描かれた車両が大会組織委に提供された(リオデジャネイロで)
    五輪公式エンブレムが描かれた車両が大会組織委に提供された(リオデジャネイロで)

 リオ五輪の聖火リレーは、8月5日にマラカナン競技場で行われる開会式を目指し、ブラジル国内全域を巡っている。ブラジル南部にある世界三大瀑布(ばくふ)の一つ「イグアスの滝」や北部の熱帯地域を流れるアマゾン川、各地の世界遺産などルートには見所が多い。その聖火リレーでは日本の日産自動車の新型車が常にランナーに並走している。

 同社の現地法人はリオ五輪を支えるオフィシャルスポンサーの一つだ。大会本番では大会関係者を競技場などに運ぶ車両約4200台を組織委に提供するなど運営面でサポート。現地法人のフランソワ・ドッサ社長(52)は「五輪に貢献することで企業のブランドイメージが格段に上がる」と話す。社長によるとブラジル進出が遅かった同社の国内シェア(市場占有率)は約3%で、約8%のトヨタ自動車などライバル社に劣っており、五輪をきっかけに知名度と売り上げをアップさせたい考えだ。

  • リオの将来に残る五輪レガシーについて語るブラジル日産自動車のフランソワ・ドッサ社長(リオデジャネイロで)
    リオの将来に残る五輪レガシーについて語るブラジル日産自動車のフランソワ・ドッサ社長(リオデジャネイロで)

一方、近年では将来に続く五輪レガシー(遺産)をいかに地元に残すかが大会に携わる関係者に問われており、それはスポンサーにとっても例外ではない。日産自動車の現地法人では、地元のNGO団体と協力し、リオ市内のファベーラ(貧困層の居住区)で10代の子供たちを専門学校に通わせる教育プラグラムを実践している。専門学校を卒業すれば仕事は得やすく、貧困から抜け出す可能性が高まる。

 「わずかなバス代もなく、生まれてから(リオの観光名所の)コパカバーナ海岸に一度も行ったことがない子供もいる。ブラジルの環境を変える手助けをしたい」とドッサ社長。まずは2年間でファベーラの約6000人の子供たちを卒業させることを目標にしている。こういった動きがより多く生まれれば、ブラジルが五輪を開催した意義も深まるはずだ。(リオデジャネイロ支局 畔川吉永、写真も)

2016年07月15日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun