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読売新聞で振り返る五輪名場面

篠原「誤審」に泣く、金メダル紛失…ハプニング集

メディア局編集部 二居隆司

2度金メダルをもらったレスリング・小林

  • 小林の金メダル獲得を報じる1988年9月30日付読売新聞朝刊1面
    小林の金メダル獲得を報じる1988年9月30日付読売新聞朝刊1面

 1896年の第1回アテネ大会から前回の第30回ロンドン大会まで、オリンピックでは感動の名場面とともに、おもわぬハプニング、悲劇も起きている。

 苦労して獲得した大事な、大事な金メダル、それを()くしてしまった選手がいる。1988年のソウル大会、レスリング・フリースタイル48キロ級で優勝した小林孝至だ。小林の金メダル獲得を報じる同年9月30日付読売新聞朝刊社会面は、「やっぱり輝きが違いますね」「苦しかったけど、(ロス五輪で銀メダルをとった)入江隆先輩と何度も接戦の試合をしていたので、今度も難しい試合に踏んばれた」と小林の優勝後のコメントを掲載している。

 それだけ苦労してとった金メダルを小林が失くしたのは、それから約1か月後の10月29日夜のこと。同年10月31日付読売新聞朝刊社会面は、「金メダル紛失した」との見出しで報じている。

「青春のすべてをかけてかちえた金メダル」

  • 1988年10月31日付読売新聞朝刊社会面。小林の落ち込んだ表情が同情をさそう
    1988年10月31日付読売新聞朝刊社会面。小林の落ち込んだ表情が同情をさそう

 記事によると、JR上野駅構内で、金メダルを入れたセカンドバッグを失くし上野署などに届け出た。公衆電話を利用した際に、その上に置き忘れ、4、5分後に戻ってきたときにはなくなっていたという。記事中、小林は、「青春のすべてをかけてかちえた金メダル。見つけた方はぜひ連絡を」と呼びかけている。

 同じ記事によると、同様の金メダル紛失の例が過去にもあって、東京大会直後にレスリングの吉田義勝が山手線の網棚に金メダルを置き忘れたが無事戻ってきたとある。

 実は、小林が失くした金メダルは、読売新聞朝刊で置き忘れが報じられたときには、警察署で保管されていた。小林がセカンドバッグの紛失に気がついた約1時間後の29日午後11時45分ごろ、東京都江戸川区の路上に落ちていたセカンドバッグをそろばん塾の先生が拾い、警視庁小松川署に届け出ていたのだ。

 同署は翌日、小林の勤務先や日本体育協会に電話したが、あいにく日曜日だったため連絡がつかなかったのだ。メダル発見の報を聞いた小林のコメントがふるっている。

 「金メダルを二度もらうようなものです」

2016年08月05日 09時55分 Copyright © The Yomiuri Shimbun