愛にはコレが必要! 卓球・福原愛のシューズの秘密
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全体にハートマークが型押しされた福原愛のシューズ
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かかとの「Ai」の文字フォントは福原本人が選んだ
卓球女子日本代表・福原愛のトレードマークは? 答えはハート。名前に「愛」があるから。では、福原がリオ大会の本番で履くシューズには、ハートマークがいくつ描かれているか? 答えは、片方に430個ずつ、左右で計約860個!
卓球は反射神経とフットワークが大きくモノをいうスポーツだ。チャンスボールが来たら素早く体重移動して攻撃に切り替える。だから選手は足回りにものすごく気を使う。
福原がリオで使用するシューズは、アッパー(足の甲の部分)に縫い目がないシームレス構造で、しっかりと足を包み込むタイプ。靴底は人間工学に基づいて足の外側と内側で異なる2種類のラバーを使用し、踏ん張りを利かせた。今年2月に試作品が完成し、3月の世界選手権で実戦投入。リオに向けてさらに改良を加えた。重さは230グラム、サイズは24.0センチ。
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ミズノは福原が中学2年の頃からシューズを提供してきた
開発には、福原が中学2年の頃からシューズを提供してきたミズノ(本社・大阪市)の玉山茂幸さん(46)が今回も参加した。卓球競技の専門家として福原の要望に耳を傾け、シューズに改良を加えていくのが玉山さんの仕事だ。育ち盛りの頃の福原は足を締め付けない、軟らかい素材を好んだが、二十歳を超えて足腰の筋力がついてくると、今のタイプを好むようになったという。体の成長と技術の向上に合わせて、福原のために最高のシューズを提供してきた自負がある。
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玉山茂幸さん
福原は機能だけでなく、デザインも高い完成度を求める。手に取らないと分からないが、ハートマークはシューズ全体に型押しされていて、キラキラ光るラメも施されている。かかとの「Ai」の文字フォントは、15種類の試作品から自ら選んだ。ハートマークも「Ai」もシューズの性能に直接関係ないが、モチベーションのアップには不可欠な要素。文字通り、世界にたった一つの「福原愛モデル」となった。
福原にとって今大会は、アテネ、北京、ロンドンに続く集大成の五輪でもある。玉山さんは「悔いのないように全力を出し切ってほしい」と、エールを送る。