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観戦ミニガイド

射撃…ベテラン活躍、最年長金メダリストも

 銃規制の厳しいわが国ではなじみが薄いが、射撃はオリンピックで1896年の第1回アテネ大会から実施されている歴史ある競技。ライフル(ピストルを含む)射撃とクレー射撃に分かれる。日本からはライフル男子の山下敏和、岡田直也、松田知幸、秋山輝吉、森栄太、女子の佐藤明子の6人と、クレーは女子の中山由起枝、石原奈央子の2人が出場する。

「おじいちゃんの金メダル」

  • ロスオリンピックで獲得した金メダルを手にする蒲池(右から2人目)
    ロスオリンピックで獲得した金メダルを手にする蒲池(右から2人目)

 射撃は経験がものをいう競技で、長く続けられるのも特長。1984年のロサンゼルス大会で、さほど注目されていなかった当時48歳の蒲池猛夫(故人)が、この大会日本選手初の金メダルを獲得。蒲池は、日本がボイコットしたモスクワを含め5度、オリンピック代表に選ばれ、4大会目の出場だった。すでに孫もいて、「おじいちゃんの金メダル」と話題になった。現在も日本選手としての最年長金メダリストの記録は破られていない。リオに出場する日本選手の中でも、クレーの中山は3大会連続4度目、ライフルの松田は3大会連続3度目の出場と、経験は十分だ。

ライフルはスナイパー、クレーはハンター

 ライフル射撃とクレー射撃の違いは、簡単に言ってしまえば、ライフルは止まった丸い的を、クレーは動く的を、それぞれ撃つ。ライフルはスナイパーで、クレーはハンターという言い方もできるかもしれない。ライフル射撃は、銃の種類や撃つ姿勢、的までの距離などで種目が分かれる。

 クレー射撃は、生きた鳥を、号令と同時に飛び立たせて猟銃で撃ったのが起源とされ、現在は鳥に見立てた素焼きの皿(クレー)を射出して撃つ。クレーが射出される方向などで種目が分かれる。

  • 北京オリンピックで4位入賞した中山
    北京オリンピックで4位入賞した中山

 日本では、ライフルの選手は自衛隊もしくは警察関係者が多く、リオの代表も6人中5人があてはまる。一方、クレーは、麻生太郎・副総理がモントリオール大会(76年)に出場したのは有名だが、中山はソフトボールで高校総体準優勝の経験があり、捕手としての視野の広さや動体視力の良さが、動く的を捕らえるクレー射撃に生きているという。41歳で初のオリンピック出場の石原は、実家が神社で神職として務める異色のアスリートで、父は日本がボイコットしたモスクワ大会(80年)の代表に選ばれていたという射撃一家だ。

隠れた金メダル候補?

  • ロンドンオリンピックに出場した松田
    ロンドンオリンピックに出場した松田

 前述のロサンゼルス大会の蒲池のように、注目度は低いが、射撃には、隠れた金メダル候補がいる。松田はオリンピックでこそ結果を残せていないが、2010年の世界選手権ミュンヘン大会で2種目を制した実績がある。“ママさん選手”として話題の中山にも、北京オリンピックで4位に入り、昨年アゼルバイジャンで行われたワールドカップで優勝するなど、世界の頂点に立った実績がある。32年前のロサンゼルス大会の再現が見られるかもしれない。

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2016年08月06日 11時55分 Copyright © The Yomiuri Shimbun