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小倉記者の現地リポート

体操男子団体で金、客席から見てみたら……

メディア局編集部 小倉剛
  • 体操男子団体の決勝が行われた五輪アリーナ
    体操男子団体の決勝が行われた五輪アリーナ

 五輪期間中は連日、何らかの競技が行われ、朝から夜まで観客を楽しませる。日本でもテレビ中継を見続けて寝不足気味の人も多いことだろう。

 とはいえ、中継で映し出されるのは競技自体がメインで、客席の様子は、観客が声援を送る場面くらい。実際に観戦してみると、中継では伝わらない盛り上がりを体験することができた。

売店はメニュー減らして店員増やす

 今回観戦したのは、日本が3大会ぶりに金メダルを取った体操の男子団体総合の決勝。記者は、体操はもちろん、五輪の競技も初めて見る。予選4位からのスタートで、金メダルは難しいのかなと思いながら競技会場へ向かう。自席に着いて客席を見回すと、メダルの期待がかかる競技だけに日本人の姿がいたるところに。小さな旗や帽子などの日の丸グッズを身に着けている人が多い。

 試合開始前に飲み物を買っておこうと売店に赴く。開会式の時の行列が頭をよぎるが、幸い込んでいなかった。地元紙によると、開会式時のオペレーションが酷評されたらしく、店員を10倍に増員し、提供するメニューも減らしたという。メニューを見ると、フードメニューの上半分が紙で覆われている。買えるのはポテトチップスやナッツなどのスナックのみ。決勝は夕方から夜にかけてなので、おなかをすかせる人が多くなりそうだ。

歓声は中継の2倍のボリューム、BGMも

  • 会場前で記念撮影をする人々
    会場前で記念撮影をする人々

 試合が始まると、意外とにぎやか。技が成功するたびに歓声が上がり、演技終了時にはどの国の選手にも惜しみない拍手が送られる。失敗したときにも、一瞬のため息の後に、激励するかのような拍手が送られていた。会場で実際に聞くと、歓声はテレビ中継の2倍以上のボリュームに聴こえる。観客は本当に楽しそうで、こちらも楽しくなる。

 大きな歓声が上がるのは、やはりブラジルチーム。全種目に出場したセルジオ・ササキ選手の演技には、とりわけ大きな声援。鉄棒の演技では得点があまり伸びずに観客から大ブーイング。こうした場面も、会場ならではの楽しみの一つかもしれない。

 中継では気付かなかったが、会場にはBGMも流れている。この日は、ビースティ・ボーイズ、ボン・ジョヴィ、ニュー・オーダー、ダフト・パンクと1980~2000年代のヒット曲。オリンピックの会場でBGMがかかっているのは意外だった。

 競技の合間にはウェーブを促す場内アナウンスも。観客は両手を高く上げて立ち上がり、大きなうねりを作り出す。開会式でも感じたが、日本のウェーブよりもスピードが速い。立ち上がったと思ったら、すぐに次の波が来た。

意外によく見えた競技

  • 体操男子の団体総合で3大会ぶりに金メダルを獲得し、喜ぶ選手ら(8日、五輪アリーナで)=関口寛人撮影
    体操男子の団体総合で3大会ぶりに金メダルを獲得し、喜ぶ選手ら(8日、五輪アリーナで)=関口寛人撮影

 競技自体はテレビの方がよく見えると聞いていたが、意外にしっかり見えた。会場の最後方の座席だったが、各選手の演技を見るのに不都合はなかった。むしろ、体操は各競技が並行して行われるため、より競技全体の様子が把握できた。日本選手の演技中、演技を終えたブラジル選手への大歓声が起こる場面もあった。演技に影響はないのだろうかとハラハラするのも、競技の進行状況が一度に見られる会場ならではの醍醐(だいご)味だ。

 日本の金メダルが決まると、国を問わず観客から温かい拍手が送られた。時間をおいて行われたメダルの授与式になると、客席には日本やロシア、中国などメダルを獲得した国の人ばかりが目立つ寂しい状況だった。

 金メダルの瞬間に立ち会えたということもあるが、生で観戦するのはテレビで見るのとはまた違った良さがある。「リオまでは遠くて行けない」と断念した人も、4年後の東京五輪では、生観戦にぜひチャレンジしてみてほしい。一流のアスリートを見ながら、いろいろな国の人と一緒に盛り上がれるはずだ。

2016年08月10日 14時47分 Copyright © The Yomiuri Shimbun