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五輪トピックス

大逆転の内村…鉄棒は得意種目ではなかった?

編集委員・三宅宏
  • 男子個人総合の最終種目・鉄棒で15・800点をマーク、逆転優勝で五輪2連覇を達成した内村航平(8月10日、竹田津敦史撮影)
    男子個人総合の最終種目・鉄棒で15・800点をマーク、逆転優勝で五輪2連覇を達成した内村航平(8月10日、竹田津敦史撮影)

 リオ五輪の体操・男子個人総合で、内村航平(コナミスポーツ)が2連覇を達成した。5種目を終えてオレグ・ベルニャエフ(ウクライナ)に0・901点という大量リードを許しながら、最終種目の鉄棒で高得点をマークして大逆転に成功した。レベルの高い構成と完璧な演技。どちらかが少しでも欠けていれば、金メダルはなかった。鉄棒は世界選手権(2015年)の個人種目で優勝するほどの実力の持ち主なのだが、内村自身は「得意種目という感じはない」というから驚きだ。内村にとって、鉄棒とは何なのだろう。

 内村の体操の原点は、小学1年の時、鉄棒の蹴上がりに成功したことにある。周りの同年齢くらいの子供たちが出来ていた中、内村少年だけが苦戦していたのだが、ある日、誰も見ていない時に、ぴょんと出来てしまった。

 「この喜びを誰かに伝えたいじゃないですか。体育館中、わーって走り回って。でも、なんか、周りはみんな冷めていて。それをすごく覚えています」

 この時の喜びは大きかった。内村は「オリンピックで金を取った時とか、世界選手権で金を取った時よりも何百倍うれしかった」と話しており、リオ五輪前に記者団から「リオで念願の団体金を取れたら、それを上回るか」と聞かれると、「いや、上回らないと思います」と答えている。

 そんな思い入れのある鉄棒も、今では、「あまり自分の中では得意種目という感じではない」と話している。では、何が得意種目かというと、ゆかと平行棒だそうだ。

 「昔からですね。小学校くらいの時から、ゆかばかり練習してきてそれが武器になっているし。平行棒もいろいろな技の種類がたくさんあって、全種類しっかりやらなければ高得点につながらないので。技のバリエーションをたくさん持っている種目なので、好きですね。昔から技をやってみようと思って、すぐに出来るのはゆかと平行棒なので、イコール得意種目みたいな感じにはなります」

 内村は、ゆかと平行棒でも、世界戦選手権で金メダルに輝いている(ゆかは2011年、平行棒は2013年)。鉄棒が「得意種目という感じはない」というのは、他にも極めて高いレベルで戦える種目があるので、相対的に、そうした意識を持てるのだろう。内村にとって、鉄棒は「高得点が取れる種目という位置づけ」だ。その言葉通り、今回は15・800という他を圧倒する高得点をたたき出して、大逆転の金メダルにたどりついた。

内村の種目別得点
ゆか 15.766
あん馬 14.900
つり輪 14.733
跳馬 15.566
平行棒 15.600
鉄棒 15.800
2016年08月12日 12時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun