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五輪トピックス

ブラジル野球、ヤクルトレディが取り持つ縁

ライター 加藤元庸
 リオデジャネイロでのスポーツの祭典、オリンピックもいよいよ終盤戦。競技を終えた種目などでは、すでに次の東京大会のメダル争いに注目が移っている。中でも開催地のブラジルで注目を集めているのが、東京で復活する野球競技だ。“サッカー大国”といわれるブラジルで、なぜ野球なのか。ブラジルに野球文化が根付くようになった背景などについて、ブラジルのテレビ局「TVグローボ」の日本キー局アイピーシーワールド新プロジェクト開発部長として現地情報の日本発信に携わっている加藤 元庸 ( もとのぶ ) さんに解説してもらった。

玉木、ユウイチらがかつて活躍

  • ブラジル選手の第1世代、玉木重雄はかつて広島カープの投手として活躍した
    ブラジル選手の第1世代、玉木重雄はかつて広島カープの投手として活躍した

 リオの開会式前に、国際オリンピック委員会(IOC)の総会が開かれ、2020年の東京オリンピックで新たに5競技が正式な種目として加えられることが決まった。その5競技とは、野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンで、中でも現地ブラジルで注目されているのが、野球の五輪復活だ。日本の人にはあまり知られていないが、実はブラジルと日本は野球が縁で深く結ばれているのだ。

 振り返ってみると、ブラジル出身のプロ野球選手として、日本で最も成功したのは、1995年のドラフト3位で広島カープに入団した玉木重雄だろう。日系3世の玉木は、高校時代にブラジル選抜選手として日本選抜と対戦、その実力が認められ、三菱自動車川崎に入社し社会人野球で活躍した。95年の社会人野球日本選手権では、MVPに選ばれる活躍で、同じ年、広島からドラフト指名を受けて入団し、投手として活躍した。

 プロ通算10年間(最後の1年間は楽天に所属)で、373試合に登板、34勝、8セーブという成績を残している。

 外野手として、玉木に劣らない実績を残したのが、昨年までヤクルトに所属した松元ユウイチだ。1999年に野球留学選手としてヤクルトに入団した。勝負強い、巧打の外野手として、プロ14年間で546試合に出場し、通算打率2割6分3厘、11本塁打を放った。

 現在、日本のプロ野球チームで最も注目されているブラジル出身選手は、ドラフト6位で今年広島カープに入団したオスカルだ。貴重な左の中継ぎ投手として、すでに19試合に登板し、2勝をあげている。

  • 2013年WBC予選にブラジル代表として出場したオスカルは現在広島カープに所属
    2013年WBC予選にブラジル代表として出場したオスカルは現在広島カープに所属

 同じ左投手としては、2011年の育成選手ドラフトで2位指名を受け、ヤクルトに入団したウーゴも忘れてはならない。今季からは巨人に所属している。

 オスカル、ウーゴは、いずれも2013年の第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場している。また、最速151キロのストレートを武器に、09-13年の5年間、ヤクルトに所属した投手のフェルナンデスも同様にWBCでブラジルのために戦った。玉木、ユウイチがブラジル出身選手の第1世代というなら、続く3選手は、第2世代といってもよかろう。


2016年08月19日 15時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun