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企画・連載

[平昌へ 夏に磨く](1)体幹鍛える 競輪流トレ…小平奈緒(2017年8月9日)

 4年に1度の雪と氷の祭典で輝くため、冬季競技のアスリートたちは、夏の間も絶え間なく己の武器を磨き上げる。半年後に迫った平昌冬季五輪。メダルを見据える選手たちのトレーニングを追った。

◇スピードスケート 小平奈緒 31 相沢病院

  • 強い日差しを受けながら、自転車トレーニングを行う小平奈緒(長野県松本市で)
    強い日差しを受けながら、自転車トレーニングを行う小平奈緒(長野県松本市で)

 ◆秘密兵器「一本歯げた」 

 鳥のさえずりが響く長野県松本市の自転車競技場に7月中旬、スピードスケート短距離のエースの姿があった。サイクルウェアに身を包み、1周333メートル、最大36度の傾斜がついたバンクで、競輪用の自転車にさっそうとまたがる。リンクが閉鎖される3~7月、スピードスケートの選手が自転車の練習に精を出すのは、おなじみの光景だ。

 ただ、定番の練習だけで世界トップに駆け上がったわけではない。小平が重視するのは、時速60キロ以上で疾走するバンクでの練習だ。

 競輪の女子トップ選手がこぐような重いギアの自転車を使う。普通の人なら、自転車を静止した状態から動かせないほどのレベルだが、体幹の使い方を確認しながら、ペダルを踏み込む。体幹はスピードスケートでも滑りの核を担う。小平は「体の軸をどう作っていくかという点で刺激になる」と効果を語る。

  • 特注した「一本歯げた」でトレーニングする小平
    特注した「一本歯げた」でトレーニングする小平

 自転車以外にも陸上やレスリングなど異なる分野の専門家の知恵を吸収してきた小平には、もう一つ、一風変わった練習がある。秘密兵器は、特注の「一本歯げた」だ。

 大学時代から練習に取り入れている古武術からヒントを得た。普通のげたは歯が前後に2本付いているが、「一本歯げた」は1本のみ。普通は立っていることすら難しい。このかかと部分を切り落とし、通常の約半分の長さにした特注品を使っている。

 特注げたで数分間立ったり、スケート滑走時のポーズを保ったり。様々な姿勢で重心の位置を確認する。指導する結城匡啓コーチは「重心が下がる感覚で体の軸が安定する。こういうポジションで滑りたいと毎回確認してきた」と解説する。「技術の向上にも役立っているけど、バランスをとることで心が整う」と小平。シーズン中も手放せないが、あまりにもユニークな愛用品は、海外遠征先で外国選手から物珍しそうに見られる。

 創意工夫を重ね、戦う土台は完成した。「いつ五輪が来てもいい」。半年後の決戦の舞台が待ち遠しい。(上田真央)

 ◇こだいら・なお 長野県出身。中学2年で全日本ジュニアのスプリント部門を制し、「スーパー中学生」と呼ばれた。2010年バンクーバー五輪女子団体追い抜きで銀メダル。14年ソチ五輪は500メートルで5位。昨季は500メートルで15戦全勝の強さを見せ、世界スプリント選手権では日本女子初の総合優勝を飾った。

2017年11月21日 12時01分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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OARはロシアからの五輪選手
日本の獲得メダル 4 5 4
国別メダル
1 norノルウェー 14 14 11
2 gerドイツ 14 10 7
3 canカナダ 11 8 10
7 kor韓国 5 8 4
11 jpn日本 4 5 4

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