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    山根康宏の韓国ITリポート

    LINEって何? カカオトークでしょ!

     みなさん、こんにちは。香港在住の携帯電話研究家、山根康宏です。アジアや世界のスマートフォン事情を追い続け、面白い情報を日本の皆さまにお届けしています。さて、まもなく冬季オリンピック・パラリンピックが開催されます。開催地は韓国の 平昌 ( ピョンチャン ) 。このコラムでは、韓国国内のスマートフォンやIT事情についてユーザー目線で紹介していきたいと思います。

    • 韓国の街中のカフェ。スマートフォンが日常風景に溶け込んでいる
      韓国の街中のカフェ。スマートフォンが日常風景に溶け込んでいる

     日本と文化が似ている韓国の街を歩いてみると、ハングルがあふれ返っている以外は、日本の雰囲気とあまり変わらないようにも思えます。今では誰もがスマートフォンを持ち、高校生やビジネスパーソン、そして年配の方々も使っています。

     その韓国でも日本同様、スマートフォンで最も使われているのがSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。チャットしたり、写真を送ったり、これまた日本のスマートフォンの利用スタイルとほとんど変わりません。

     ところが、使っているアプリは全く違います。日本では無料通話・メールアプリ「LINE」がよく使われていますよね。でも、韓国で使われているのは「カカオトーク」というアプリです。LINEのアイコンが緑色なのに対して、カカオトークは黄色。韓国人のスマートフォンの画面には必ずと言っていいほど、この黄色いアイコンがあるはずです。

    急速普及の陰に、やっぱりスタンプ

    • 黄色が目印。カカオトークのアプリアイコン
      黄色が目印。カカオトークのアプリアイコン

     カカオトークは2010年に韓国でサービスが始まりました。日本のLINEは2011年からですから、それより1年前のスタートです。韓国でもスマートフォンの普及が始まった頃で、スタンプを交えながらチャットできるカカオトークは、使いやすさと画面の見やすさから一気にユーザー数を増やしていきました。

     特にキャラクターのスタンプは大人気となり、スタンプを送りたいからカカオトークを始めるユーザーもいました。そして、周りがカカオトークを使っているから自分も使う、という具合にユーザーが増えていきました。この辺りは日本のLINEの普及と似ています。

    • 韓国標準メッセージアプリと言えるほど定着している
      韓国標準メッセージアプリと言えるほど定着している

     カカオトークの韓国での利用者数は約4000万人。スマートフォンでメッセージを送るユーザーの99%がカカオトークを使っていると言われています。それに対してLINEは約10%にとどまり、大きく水をあけられているのが分かります。

     カカオトークの機能は、1対1やグループチャットを通じてメッセージや写真、動画、スタンプを送り合ったり、グループ通話を行ったりするなど、LINEとほぼ同じです。

     しかし、カカオトークはLINEよりも1年も早く登場したことから、先行して利用者を集め、他の追従を許さなかったのです。カカオトークと似たようなサービスが後から出てきても、そちらに乗り換えるメリットはなかったというわけです。

     また、LINEはスタンプの種類も日本人好みなものが多かったのに対し、カカオトークは韓国市場に特化したため、韓国人の心をつかむキャラクターがそろっていました。

     メッセージを送ったあと、LINEは相手が読めば「既読」の表示がつきますが、カカオトークにはつきません。グループメッセージの場合、カカオトークはグループの数字が表示され、1人が読むと数字が1つ減り、全員が読むと数字が消えます。「相手が読んだかどうか」を知りたい日本人に対し、韓国人は「読んでいない人が何人いるか」を知りたいのです。このようにカカオトークは細かい部分で韓国人のことを考えた仕様になっているため、圧倒的な強さを誇っているのです。

     2012年には「カカオストーリー」という新たなサービスが始まりました。カカオストーリーは写真やテキストをインターネット上で公開できるサービス。フェイスブックよりもインスタグラムに近いサービスと言えます。カカオトークでチャットしながら、最近の写真はカカオストーリーを見てもらう、そんな使い方を韓国人の誰もがしているのです。

    地図検索、音楽配信…広がるスマホサービス

    • かわいらしいキャラクターの存在もユーザーに支持される理由
      かわいらしいキャラクターの存在もユーザーに支持される理由

     カカオトークを運営するカカオ株式会社は、カカオトークを中心としたスマートフォンサービスを年々強化しています。2014年には韓国でNo.2のポータルサイト「ダウム」と合併。これにより、カカオトークから直接ネット検索することも可能になりました。さらにはオンラインショッピングや、地図検索、音楽配信、タクシーの配車サービスにも事業を拡大しています。今、流行(はや)りの仮想通貨の取引所も始めました。

     「カカオトークを開けば生活のあらゆることができる」。カカオはそんな将来像を描いて次々と新しいサービスを開発しています。2017年7月にはついに銀行業へも進出。インターネット銀行の「カカオバンク」はサービス開始からわずか3週間で200万口座を集めました。実店舗がない代わりに、全国にあるセブンイレブンのATMを使ってお金を出し入れすることが可能です。手数料が安いことに加え、カカオトークのキャラクターをあしらった銀行カードが人気を呼んでいます。

     カカオトークのキャラクター「カカオフレンズ」はカカオトークを使っていない中国などでも人気になっています。韓国国内にあるオフィシャルグッズストアは韓国人のみならず、韓国旅行に訪れる旅行者でいつもにぎわっています。ソウル市内にあるフラッグシップストアは3階建てで、カカオフレンズのグッズを大量に陳列。ぬいぐるみやキーホルダー、ノートなどの文房具、歯ブラシなどの日用品、そしてスマートフォン用のケースやバッテリーなどあらゆる種類のグッズが売られています。

    • カカオストーリーでは写真や動画をシェアできる
      カカオストーリーでは写真や動画をシェアできる
    • 大人気のカカオフレンズグッズ。スマートフォンケースも種類がたくさんある
      大人気のカカオフレンズグッズ。スマートフォンケースも種類がたくさんある

    「ハングル絵文字」で気持ちを表現

     さて、韓国人はスタンプを使うのが大好きですが、日本人より利用頻度は少ないように感じられます。その代わりに、よく見かけるのがハングルを使った絵文字です。面白いことに、日本や海外では記号を使って絵文字を書きますが、韓国ではハングルの部首をそのまま絵に見立てて絵文字にするのです。

     「笑い」や「涙」などがよく使われますが、それぞれハングルの子音の部首を組み合わせて表します。本来の音と形がいかにもそんなイメージを出していることから、単語やスタンプより気軽に利用されるのです。たとえば、日本でも「それウケルw」のように、「(笑)」の意味で「w」の文字が使われますが、韓国ではハングルの文字そのものが使われているのです。

     スマートフォンでちょっとした気持ちを伝えるのに、韓国のユーザーも工夫しているというわけです。うまく使えば、「バイバイ」「ありがとう」「おめでとう」も子音だけで表現できるそうで、韓国の活字文化の奥深さを感じます。

    • ハングル絵文字(オレンジ色の文字)もよく使われる(※和訳は編集部)
      ハングル絵文字(オレンジ色の文字)もよく使われる(※和訳は編集部)
    • 上から「うんうん」「ノーノー」「あはは」「バイバイ」「おめでとう」
      上から「うんうん」「ノーノー」「あはは」「バイバイ」「おめでとう」

    プロフィル
    山根 康宏( やまね・やすひろ
     携帯電話研究家、ジャーナリスト。香港在住20年。一年の大半を海外の展示会や現地取材に費やす。スマートフォンから通信ネットワークまで、海外の携帯電話事情に精通している。日本の主なIT系メディアや経済メディアに記事執筆多数。コンサルティング活動も行う。海外渡航時は現地でスマートフォンを買い集めるコレクターでもあり、収集した携帯電話の台数は1500台を超える。公式サイトは こちら
    2018年01月30日 09時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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    2/25 17:17

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