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フィギュアスケート

【五輪女子SP解析】宮原と坂本が自己ベストを出せた理由

 平昌五輪のフィギュアスケートは21日、女子ショートプログラム(SP)が行われ、宮原知子と坂本花織の2人がいずれも自己ベストを更新する会心の演技を披露した。団体ではともにミスがあった2人が高得点を出せたのはなぜか。データで分析する。(読売新聞編集委員・三宅宏)

宮原は鬼門の回転不足が取られなかった

  • フィギュアスケート女子SPで4位の宮原知子
    フィギュアスケート女子SPで4位の宮原知子

 宮原はなによりも、冒頭の連続ジャンプで回転不足を取られなかったことが大きい。

 今季はほとんどの試合で取られていて、11日の団体SPでは、最初の3回転ルッツと後ろにつけた3回転トウループの両方が指摘を受け、得点が伸びない要因になっていた。

 団体戦では6.00点に終わっていたこのジャンプで、宮原は今回、11.00点も稼いだ。わずか10日ばかりで立て直した技術と精神力は、「見事」としか言いようがない。

 宮原が3度のジャンプで挙げた得点は21.65点で、これは今季の試合で最も高い(過去のデータは国際ジャッジではない全日本などを除く。以下同じ)。ステップ、スピンも今季最高で、技術(要素)点は今季初めて40点台に乗った。

 よどみない演技は、主に表現力・芸術性をみるプログラム構成点にも影響を与えた。

 宮原は今季、5項目すべてで8点台止まりだったが、今回は「演技表現実行力」と「音楽の解釈」で9点台に乗せた。プログラム構成点の35.69点も、今季の自己ベストになった。

 今季最高の技術点と構成点が重なって、宮原の自己ベストは生まれた。

坂本はステップも構成点もレベルアップした

  • フィギュアスケート女子SPで5位の坂本花織
    フィギュアスケート女子SPで5位の坂本花織

 坂本は3度のジャンプすべてで、プラスの出来栄え点を得た。

 ジャンプで稼いだ得点は23.23点。これは宮原を上回り、3位のケイトリン・オズモンド(カナダ、23.80点)に迫るスコアだ。さすがに「ジャンプの坂本」と言える。

 ただ、坂本は、過去にもっと多くの点をジャンプで稼いだことがあった。

 今季の国際大会を振り返ると、スケートアメリカで23.43点、四大陸選手権で23.30点と、今回よりも高かった。

 では、なぜ、40.36点という今季最高の技術点を出せたかといえば、ステップがよかったからだ。

 ロシア杯、スケートアメリカ、四大陸ではいずれも「レベル3」だったのが、今回は最高難度の「レベル4」がついた。基礎点が3.30点から3.90点に上がったうえに、0.90点の出来栄え点もついた。直近の四大陸では4.09点だったのが4.80点にもなった。満点の6.00点を出したエフゲニア・メドベージェワ=ロシアからの五輪選手(OAR)=、カロリナ・コストナー(イタリア)とはまだ差があるが、ひとつの項目で約20%も得点を増やしたのは立派だ。

 坂本は、プログラム構成点でも躍進した。

 ロシア杯とスケートアメリカでは全部が7点台、四大陸では2項目だけが8点台だったのが、今回は「要素のつなぎ」を除く4項目で8点台に乗せた。

 得意のジャンプで取りこぼしをせず、他の要素でも健闘したことが、坂本の自己ベスト更新につながったといえよう。

2018年02月21日 17時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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OARはロシアからの五輪選手
日本の獲得メダル 4 5 4
国別メダル
1 norノルウェー 14 14 11
2 gerドイツ 14 10 7
3 canカナダ 11 8 10
7 kor韓国 5 8 4
11 jpn日本 4 5 4

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