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カーリング

山口剛史(やまぐち・つよし)

プロフィル

 北海道出身。北海道代表として日本ジュニア選手権で優勝し、世界ジュニア選手権に出場。2005年にSC軽井沢クに加入し、15~16年シーズンからセカンドを担う。16年世界選手権4位。同年のパシフィック・アジア選手権で優勝した。1メートル74、75キロ。

[平昌へ 夏に磨く]心身整え フォーム安定(2017年8月13日)

◆ピラティス 妻と二人三脚

  • ピラティスで体のねじれを整える山口剛史(右)と、妻でピラティストレーナーの七重さん
    ピラティスで体のねじれを整える山口剛史(右)と、妻でピラティストレーナーの七重さん

 上半身が裸なのは、鍛えあげた筋肉を見せびらかすためではない。「筋肉の動きを見ながら、正しく体を使えているか確認するため」だ。世界屈指のパワーを誇るセカンドは、ピラティスで毎日体を整える。

 ゴム製で不安定な半球の台に立ち、体幹を意識しながら上半身に負荷をかける。体の軸をぶらさず、バランスを保ったまま左右の脚を前後に入れ替える。「見た目よりずっとキツイ」。みるみるうちに全身に玉の汗がにじんでくる。

 傍らで見守るのは、妻でピラティストレーナーの七重さん(33)。長岡はと美コーチ(64)の長女で、かつてはスピードスケートの選手として小平奈緒(相沢病院)と競い合った。シーズン中は海外遠征が続くため、山口が設備の整った長野県軽井沢町のスタジオで指導してもらえるのは夏場だけだ。

 セカンドの重要な役割は、スイープ。試合後は体重が約2キロ減るほど運動量は多い。氷をこする時は、ブラシの柄の下側を持つ左腕に体重をかけるため、左側の筋肉に負荷がかかる。左右の筋肉量に差が出て体がねじれると、ストーンを真っすぐ投げにくくなる。

 このねじれを直すのにピラティスが役立つ。チューブを使って腕に負荷をかけたり、柔らかいボールの上で脚を交互に動かしたり。常に体を動かして深部の筋肉に働きかけ、バランスの良い体を作り上げる。

 昨年春、七重さんのすすめで始めてから、ショットが安定し出した。昨季は「シーズン中にフォームが崩れなくなり、投げる精度が上がった」と実感した。

 かつてはベンチプレスで130キロを挙げたのが自慢だった。今はウェートトレーニングより、ピラティスで体のバランスを整え、全身を効率良く使うことを考える。「体が整うと心も整う。メンタルも安定した」と、精神的な支えにもなっている。

 初のメダルを目指し、オフもカーリング中心の生活を送った。こんがりと日焼けした肌は、海で遊んでいたからではない。著名な先生がいるハワイにピラティスのレッスンを受けに行ったからだ。「あと半年で、もっと自分の体を使いこなせるようになれば、メダルも夢じゃない」。ぶれない体を手に入れ、一直線に目標へ突き進む。(永井順子)

2017年10月04日 15時36分 Copyright © The Yomiuri Shimbun