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フィギュアスケート

坂本花織(さかもと・かおり)

  • 女子SPで会心の演技を終え、笑顔がはじける坂本花織(2017年12月21日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで)=竹田津敦史撮影
    女子SPで会心の演技を終え、笑顔がはじける坂本花織(2017年12月21日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで)=竹田津敦史撮影

〈プロフィル〉

 シスメックス所属。2018年平昌(ピョンチャン)オリンピックの日本代表に選ばれた。
 2000年4月9日、兵庫県生まれ。2015年、初出場した世界ジュニア選手権で6位。2016年には全日本ジュニア選手権で、1学年下の本田真凜を抑えて優勝した。翌年3月の世界ジュニア選手権は、アリーナ・ザギトワ(ロシア)、本田に次ぐ3位に入った。

 平昌オリンピックを控える今季から、シニアに本格参戦。9月の国際大会デビュー戦・USインターナショナルクラシックこそ転倒などのミスが出て4位に終わったが、大会ごとに調子を上げた。10月のローカル大会・近畿選手権で優勝、同月のグランプリ(GP)シリーズ・ロシア杯で5位に食い込むと、11月のGPシリーズ最終戦スケートアメリカで210.59点の自己ベストをたたき出して2位に入った。
 12月の全日本選手権では初日のSPで首位に立つと、2日目のフリーでもミスを最小限に抑えて総合2位に入り、優勝した宮原知子(関大)とともに平昌五輪の出場権を手にした。

 スピードに乗った跳び幅の大きなジャンプが魅力。今季はショートプログラム(SP)でピアノ曲「月光」、フリーでは映画「アメリ」の音楽に乗って滑る。身長1メートル58。

今季急成長 高校生12年ぶりフィギュア五輪(2017年12月24日)

  • 平昌五輪の代表メンバーとともに、アイスショーの氷上で客席に手を振る坂本(右から2人目)=2017年12月25日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで
    平昌五輪の代表メンバーとともに、アイスショーの氷上で客席に手を振る坂本(右から2人目)=2017年12月25日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで

 来年2月に行われる平昌冬季五輪のフィギュアスケート日本代表が24日に発表され、全日本選手権の女子で2位に入った坂本花織選手(17)(シスメックス)が初の五輪切符をつかんだ。兵庫県出身で神戸野田高(神戸市)の2年生。フィギュアでは2006年トリノ大会の安藤美姫さん以来となる高校生の五輪代表だ。坂本選手は「五輪では緊張すると思うが、自分らしい勢いのある演技がしたい」と語った。

 急成長の原動力は、ライバルで親友でもある三原舞依選手(18)(シスメックス)の存在だった。

 昨シーズンの四大陸選手権で優勝し、世界選手権で5位に入った三原選手と、坂本選手はともに中野園子コーチ(65)の指導を受ける。4歳でスケートを始めた坂本選手は小学1年の時に、1学年上の三原選手と出会った。「最初は自分がうまかったけど、あっという間に抜かれた」と坂本選手。難しいジャンプに挑戦する時期になると、中野コーチは「どっちが先に跳べるかな」と競争をあおった。

 11月のグランプリシリーズ・スケートアメリカで2位に入り、勢いに乗った。全日本選手権では高いジャンプで観客を魅了し、21日のショートプログラム(SP)で首位発進。23日のフリーでも重圧に負けず、表彰台に立った。「舞依ちゃんにできたなら、私にもできると思って頑張った」。早朝の練習も体重管理のための食事制限も、追うべき背中があったからやり抜き、五輪代表の座を射止めた。

坂本2位 全日本フィギュア(2017年12月23日)

  • 2位に入った坂本花織のフリー演技(2017年12月23日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで)=竹田津敦史撮影
    2位に入った坂本花織のフリー演技(2017年12月23日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで)=竹田津敦史撮影

 フィギュアスケート・全日本選手権第3日(23日・東京武蔵野の森総合スポーツプラザ)――来年2月の平昌(ピョンチャン)五輪の最終代表選考会を兼ねて行われ、代表2枠を争う女子はショートプログラム(SP)2位の宮原知子(関大)がフリーで1位となり、合計220・39点で逆転での4連覇を果たした。宮原は日本スケート連盟の選考基準を満たし、初の五輪代表入りを決めた。SP首位の坂本花織(シスメックス)はフリー4位で、213・51点の2位。紀平(きひら)梨花(関大ク)は3位、樋口新葉(わかば)(東京・日本橋女学館高)は4位。残る1枠は坂本と樋口の争いとなり、24日に代表が発表される。

表現力も向上

 坂本の代名詞は高く、幅のあるジャンプ。その持ち味を最終滑走の重圧にも屈せず発揮した。「ひやひやした」という最初のジャンプこそ回転不足になったが、「全然覚えてない」という二つ目以降は力を振り絞り、最後まで跳びきった。

 テレビドラマを見て興味を持ち、4歳で始めたスケート。「運動神経は良くない」と本人は言うが、中学までスイミングスクールにも通い、全身の筋肉がバランス良く鍛えられた。

 ただ、この躍進はジャンプだけでは望めない。初めてシニアで戦う今季は、フランス人振付師の指導で独創的なプログラムに挑戦。難解な表現や複雑なステップに音を上げる姿を度々見せたが、悔しい思いをする度に一層の努力を自分に課した。

 総立ちのスタンドの光景を見て、こみ上げた充実感。「ちょっとは可能性も見えたかな」と五輪へ望みをつないだ。(前田剛)

17歳坂本SP首位 全日本フィギュア(2017年12月21日)

 フィギュアスケート・全日本選手権第1日(21日・東京武蔵野の森総合スポーツプラザ)――来年2月の平昌五輪の最終代表選考会を兼ねて開幕し、代表2枠を争う女子のショートプログラム(SP)は17歳の坂本花織(シスメックス)が73・59点で首位に立った。3連覇中の宮原知子(関大)は73・23点で2位につけた。本郷理華(邦和スポーツランド)が3位、樋口新葉(東京・日本橋女学館高)が4位。本田真凜(大阪・関大高)は6位だった。

  • 女子SPで首位に立った坂本花織=加藤学撮影
    女子SPで首位に立った坂本花織=加藤学撮影

3度のジャンプ「完璧」

 「点数合っているかな」。スコアを見た坂本は、目を疑った。国際スケート連合(ISU)非公認ながらSPの自己ベストを4点以上も上回る高得点に驚きを隠せなかった。

 3度のジャンプを基礎点が1・1倍となる演技後半に集める高難度のプログラムを攻略した。緊張感の中、前半のステップで「気持ちが落ち着いた」と平常心を貫いた。「鬼門」と話していた3回転―3回転の連続ジャンプを決めて波に乗ると、残る二つの単独ジャンプも成功。いずれも出来栄え点で大幅な加点を稼ぎ、本人も「幅も高さも完璧でした」と自賛した。

 今季本格的にシニアデビューしたばかり。指導する中野園子コーチによると、「不器用で、初めての会場や状況が苦手」。確かに今季序盤はシニアの雰囲気にのまれて結果を残せず、試合のたびに涙を流してきた。

 それでも、国内のローカル大会にも参戦して場数を踏み、苦手意識を払拭ふっしょくしてきた。尻上がりに調子を上げ、前戦のグランプリ(GP)シリーズのスケートアメリカでは宮原に次ぐ2位につけ、「いけるんじゃないか」と自信を持って今大会に挑んだ。

 「こんなにうれしいのは久しぶり」と喜びを爆発させた坂本。気分良く、フリーに臨む。(上田真央)

17歳坂本 急成長2位 GPシリーズ(2017年11月26日)

  • 2位に入った坂本花織のフリー演技(2017年11月26日、米レークプラシッドで)=武藤要撮影
    2位に入った坂本花織のフリー演技(2017年11月26日、米レークプラシッドで)=武藤要撮影

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ最終第6戦、スケートアメリカ最終日が26日、米ニューヨーク州レークプラシッドで行われ、女子はショートプログラム(SP)首位の宮原知子(関大)がフリーも1位となり、合計214・03点で2年ぶりのGPシリーズ通算2勝目を挙げた。SP2位の坂本花織(シスメックス)は合計210・59点の2位に続いた。

自己ベスト 15点以上更新

 SP2位で迎えたフリーへ、「やってやろう」と燃えた坂本がミスのないままフィニッシュ。「まさか」と驚いた合計210・59点は、自己ベストを一気に15点以上更新してみせた。

 魅力の詰まった演技だった。一番の持ち味であるスピードに乗った大きなジャンプを全て成功させ、着実に出来栄え点も獲得。技術点は出場選手で1位の73・71点まで積み上げた。GP2戦目で表彰台に上がり「ちゃんとやれば(得点が)出るんだ」と実感した17歳はもう少し感激に浸っていたいのか、高校のテストが待つ日本に「帰りたくない」と漏らし、周囲を笑わせた。

坂本 満足の自己ベスト スケートアメリカ(2017年11月25日)

  • 坂本の女子SP。拡大して見ると、左足に虫が止まっている(2017年11月25日、米レークプラシッドで)=武藤要撮影
    坂本の女子SP。拡大して見ると、左足に虫が止まっている(2017年11月25日、米レークプラシッドで)=武藤要撮影

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ最終第6戦、スケートアメリカは25日、米ニューヨーク州レークプラシッドで第2日が行われ、女子ショートプログラム(SP)で坂本花織(シスメックス)は69・40点で2位。

虫にも動じず

 今季GPシリーズに初参戦した坂本が、「緊張感がほどよくなった」という2戦目で力を発揮した。組み込んだ三つのジャンプ要素を全部、得点が1・1倍となる演技後半に跳び全て成功。自己ベストを更新した。2位発進に「一発、やってやった」と満足げだった。好演技の裏には、ちょっとした珍事も。演技途中で左足がかゆいと思っていると、虫が止まっていた。ただ、それにも動じず「『虫!』って気持ちがそっちにいって、リラックスできた」。スピードに乗った思い切りの良い滑りに加え、おおらかな性格も魅力の17歳が、国際舞台でアピールに成功した。

ロシア杯、坂本5位(2017年10月21日)

  • ロシア杯で、当時のSPの自己ベストを出した坂本の演技(2017年10月20日、モスクワで)=竹田津敦史撮影
    ロシア杯で、当時のSPの自己ベストを出した坂本の演技(2017年10月20日、モスクワで)=竹田津敦史撮影

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦のロシア杯は21日、モスクワで行われ、女子は、ショートプログラム(SP)3位の樋口新葉(東京・日本橋女学館高)がフリーで137・57点の3位とし、合計207・17点で3位に入った。SP4位の坂本花織(シスメックス)は合計194・00点の5位。SP首位のエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)が合計231・21点で優勝した。

坂本が近畿選手権優勝(2017年10月9日)

 フィギュアスケートの近畿選手権は9日、兵庫尼崎スポーツの森で女子フリーが行われ、前日のショートプログラム(SP)首位の坂本花織(シスメックス)がフリーも132・31点で1位となり、合計201・15点で優勝した。

坂本ほろ苦デビュー(2017年9月16日)

 フィギュアスケートの本田真凜(大阪・関大高)が、シニアの国際大会デビュー戦で鮮やかに優勝を決めた。16日に米ユタ州のソルトレークシティーで行われたUSインターナショナルクラシックの女子フリーで、131・52点で1位。ショートプログラム(SP)首位を守り、2位に約15点の大差をつける合計198・42点で頂点に立った。SP5位の坂本花織(神戸ク)は112・30点でフリー4位で、合計169・12点の4位だった。
「悔しさしかない」
 今季からシニアに本格参戦した坂本には、ほろ苦いデビューとなった。演技後半最初に予定した3回転ジャンプで転倒すると、その後もミスが出て得点を伸ばせなかった。後半に五つのジャンプを集める超高難度プログラムだけに、課題は山積み。演技後は涙をこらえきれず、「悔しさしかない。これから鍛え上げるしかない」と奮起を誓った。

全日本ジュニア選手権 坂本が初優勝(2016年11月20日)

 フィギュアスケート・全日本ジュニア選手権最終日(20日・札幌月寒体育館)――男女のフリーが行われ、女子は、ショートプログラム(SP)1位の坂本花織(神戸ク)がフリーで124・52点の2位とし、合計191・97点で初優勝した。坂本は、3月の世界ジュニア選手権(台北)代表に内定した。

フォトギャラリー

  • スケートアメリカのエキシビションで演技をする(2017年11月26日、武藤要撮影)
    スケートアメリカのエキシビションで演技をする(2017年11月26日、武藤要撮影)

  • 2位に入ったスケートアメリカで、優勝した宮原知子(右)と並んで日の丸を掲げる(2017年11月26日、武藤要撮影)
    2位に入ったスケートアメリカで、優勝した宮原知子(右)と並んで日の丸を掲げる(2017年11月26日、武藤要撮影)
  • シニアデビューに向けて練習(2017年9月14日、米ソルトレークシティーで)=冨田大介撮影
    シニアデビューに向けて練習(2017年9月14日、米ソルトレークシティーで)=冨田大介撮影
2017年12月27日 15時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun