東京五輪マラソン「夜やったらどうか」と提案も

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 2020年東京五輪・パラリンピックで、暑さの影響が大きいマラソンの競技時間を巡る議論が収まらない。大会組織委員会は当初予定よりも30分早め、午前7時スタートとしたが、今夏の猛暑を受け、さらなる前倒しを求める声や、サマータイムの導入、夜開催の提案まで飛び出している。組織委は競技時間のさらなる見直しを迫られている。

 ◆さらに前倒しか

 五輪の競技日程は、組織委が7月18日、国際オリンピック委員会(IOC)理事会に提案、承認された。マラソンは女子が8月2日、男子は同9日で、暑さを考慮して、五輪招致段階では午前7時半としていた開始時間を同7時に前倒しした。

 組織委幹部によると、「7時でも暑い」との意見も出たが、選手側から「スタートの3時間前には起床する。早過ぎると体調管理が難しい」との意見があり、7時に落ち着いたという。

 しかし、今夏の猛暑で都内では7月23日に初めて最高気温が40度を超えた。同日、マラソンが行われる都心部は39・0度。午前7時の段階ですでに31・3度だった。想定を上回る暑さに、競技連盟幹部は「もっと早い時間のスタートが望ましい」と明かし、選手側も組織委側に同様の意見を伝えているという。

 ◆夜開催は難しく

 こうした状況を受け、組織委の森喜朗会長は7月、夏の間だけ時計の針を1~2時間進めるサマータイムの導入を安倍首相に要望した。しかし、サマータイムを実施すると、午前の競技は比較的涼しい時間帯に移るが、夕方以降の試合もあるサッカーやラグビーなどは、むしろ暑い時間帯になるケースも出てくる。

 競技日時は各競技団体や外国も含めたテレビの放映時間、交通機関の運行状況など、様々な条件を踏まえて決めており、大会関係者は「サマータイムの導入で、全競技の開始時間を一律に前倒しすることが可能なのか」と疑問を呈する。

 また、森会長は11日、「全国知事会議で、『夜にやったらどうか』という意見もあった」と発言。ただし、競技関係者によると、日中や朝のレースに慣れている選手にとって、夜開催はコンディションの調整が難しいという。

 ◆「7~8月」で招致

 そもそも1964年大会と同様に10月開催を求める意見も根強い。

 しかし、近年の夏季五輪は7~8月の実施が通例化しており、92年バルセロナ大会以降、2000年シドニー大会以外は7~8月に開催されている。

 20年大会の招致では、ドーハ(カタール)が10月開催を掲げて立候補したが、IOCは「10月開催は他の大規模スポーツイベント等と競合する」との見解を示し、ドーハは落選した。東京は「晴れる日が多く温暖。アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」とうたい、招致を勝ち取った経緯がある。

 都幹部は「招致した責任があり、今更、開催期間の変更を求めるのは、極めて困難」と話し、組織委関係者は「炎天下で長時間の競技となるマラソンと競歩だけでも、さらなる前倒しを考える必要がある」と話す。

 マラソンコースで暑さの調査をした中京大の松本孝朗教授(環境生理学)は「現状のスタート時間だと、コースのほとんどが熱中症の危険性が高いレベル。選手や観客らの健康を守るためにも、開始時間の前倒しは必須だ」と指摘している。

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41182 0 スポーツ 2018/09/18 15:30:00 2018/09/18 15:30:00 2018/09/18 15:30:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180918-OYT1I50007-T.jpg?type=thumbnail

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