五輪会場の武道館改修、都が「枠外」25億支出

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東京五輪・パラリンピックに向けた改修工事が行われている日本武道館(3日、東京都千代田区で)
東京五輪・パラリンピックに向けた改修工事が行われている日本武道館(3日、東京都千代田区で)

 2020年東京五輪・パラリンピックの会場となる日本武道館(千代田区)の改修費について、東京都が大会経費の「枠外」として約25億円を支出することがわかった。金額の算出根拠や枠外とする理由を都は明らかにしていない。他の施設でも、改修費を大会経費に含めるかどうかの線引きがあいまいなケースがあり、大会経費の全体像が不透明な状況が続いている。

 柔道、空手の会場となる武道館では、練習施設の増設やバリアフリー化工事などが行われる。この改修費のうち、都は約25億円を補助する。

 武道館は、公益財団法人が所有運営する民間施設だ。都の担当者は「改修費は所有者負担が基本だが、大会招致段階で都が要請して会場となったことも勘案し、支援が必要と判断した」と説明する。しかし、総改修費について都は、民間主体の事業であることを理由に公開せず、そのうち補助額が約25億円になる算出根拠についても、同様の理由で明らかにしていない。

 都はこの支出について「大会経費の枠外」と説明するが、「枠外」とする根拠についても不明だ。都の担当者は取材に対し、「精査段階なので」として枠外とする理由を明らかにしていない。この支出については、11月下旬の都議会委員会で初めて示された。大会経費は、国際オリンピック委員会(IOC)から削減を要請されており、都議の一人は「大会経費を少なく見せるためのごまかしではないか」と憤る。

 他の施設でも、大会後の改修費を大会経費に含めるかどうかの線引きはあいまいだ。

 都が支出する有明体操競技場(江東区)の整備費は、招致段階では89億円とされたが、耐震性の確保などを理由に約250億円にまで拡大。整備費には、大会後に展示場として活用するための改修費も含まれる。都はこの改修費を大会経費の「枠外」としているが、金額は公表されていない。

 一方、大会後に民間がマンションとして売り出す計画の選手村(中央区)では、宿泊棟の改修費は大会経費の「枠内」だ。建物は大手デベロッパーなどが建設するが、大会前の内装工事費(約211億円)に加え、大会後の内装撤去費(約98億円)は都が支出する。

 国全体の支出の分類についても線引きは明確ではない。会計検査院は10月、1兆3500億円とされる大会経費以外に、国が「関連事業費」としてすでに8011億円を支出したと指摘。エコカー購入補助金など五輪との関わりが不明確な事業が含まれる一方、国立代々木競技場の改修費などもあり、検査院は五輪との関連性を精査して全体像を明確にするよう求めた。

 その後、国は関連事業費は1725億円とする調査結果をまとめたが、大会経費と関連事業費を区別する明確な基準はない。

 奈良女子大の石坂友司准教授(スポーツ社会学)は「五輪にかかる経費には国民から厳しい目が向けられており、隠そうとすれば信頼を失う。多額の税金が使われている以上、情報公開を徹底し、一つ一つの事業を詳細に説明する責任がある」と指摘している。

52156 0 スポーツ 2018/12/04 10:08:00 2018/12/04 10:08:00 2018/12/04 10:08:00 東京五輪・パラリンピックに向けた増設改修工事が行われる日本武道館(3日、東京都千代田区で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181204-OYT1I50011-T.jpg?type=thumbnail

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