[2020サバイバル]<1>陸上男子400メートルリレー 群雄割拠 四天王は誰だ

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五輪あと500日

 2020年東京五輪開幕まで、12日であと500日となった。今後、各競技の日本代表を決める選考が本格化し、選手たちは厳しいサバイバルに挑む。母国開催の五輪で日の丸を背負うのは誰か。注目競技の代表選考を展望する。

 

カッコ内は所属。タイムは100メートルの自己ベスト
カッコ内は所属。タイムは100メートルの自己ベスト

 陸上で金メダルを期待されるのが、男子400メートルリレーだ。銀メダルに輝いた16年リオデジャネイロ大会では、山県亮太(セイコー)、飯塚翔太(ミズノ)、桐生祥秀(日本生命)、ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)が磨き上げたバトンパスで世界を驚かせた。しかし、それから約2年半で代表入りを狙う若手が台頭。「お家芸」といえる種目の代表争いは激しさを増している。

 将来の主力と期待されるのが20歳のサニブラウン・ハキーム(米フロリダ大)。日本歴代6位の自己ベスト10秒05を持ち、18歳だった17年に日本選手権100メートルを制した大器だ。22歳の多田修平(関学大)は17年世界選手権で名を上げた。山県が代表落ち、サニブラウンはリレーを故障欠場という緊急事態で1走を担い、銅メダル獲得に貢献した。

 23歳の小池祐貴(住友電工)は、昨年のアジア大会200メートルで日本勢12年ぶりの金メダルに輝いた。さらに今年2月、23歳の川上拓也(大阪ガス)が英国の室内大会60メートルで6秒54の日本新をマーク。100メートルの自己記録は10秒30ながら注目株として名乗りを上げた。32歳のベテラン藤光謙司(ゼンリン)も健在だ。

 日本陸連が合宿などを通じて組織的な強化を進めてきた成果で、新戦力も伝統のバトンパス技術を共有。リオ代表の4人も23~27歳と脂が乗っているが、9秒98の日本記録を持つ桐生、歴代2位タイの10秒00を持つ山県らも安泰ではない。桐生は「僕もまたブームを起こせるような走りを」と誓い、山県は「男子スプリントのレベルがさらに上がるという雰囲気を感じている」と気を引き締める。

 初のメダルに輝いた北京五輪を始め、日本はほぼ固定メンバーで戦うことが多かった。だが、選手層が厚くなり、東京五輪に向けては国内での戦いが待ち受ける。日本陸連の土江寛裕・五輪強化コーチは「2チームを作れる選手層。誰を外すか悩ましい」と、激しい代表争いを予測する。(平野和彦)

 

メンバー登録5人 ランキング重要

 東京五輪の男子400メートルリレーに出場できるのは16チーム。開催国枠はなく、日本は自力で五輪切符をつかまなければならない。選手にとっては、チームで出場権獲得を目指しながら、同時に代表選考を戦う厳しい道のりだ。

 国際陸連によると、最大3人が選ばれる個人種目の100メートル代表はリレーメンバー5人に含まれる。日本陸連は東京五輪代表の具体的な選考方法をまだ決めていないが、選手はまず個人種目で出場権を得ることが最優先になる。

 東京五輪では、国際陸連が今季から導入する世界ランキング制が代表選考に影響する可能性も。一発勝負に近い日本選手権で決める従来の方式と異なり、世界ランキングで一定の順位に入ることが100メートルとリレーの代表入りにつながりそうだ。リオ大会の飯塚のように200メートルを本職とする選手もおり、日本陸連が適性を見極めながら残るメンバーを選ぶとみられる。選手たちは今季から代表入りを見据えて戦う必要がある。

 チームとして出場権獲得を目指す戦いは5月に始まる。横浜市での世界リレー大会で10位以内に入り、今秋の世界選手権ドーハ大会に出場して8位以内となるルートが最短。日本は2000年以降の五輪、世界選手権計14大会で12回の8位以内入賞を果たしており、ハードルは決して高くない。

 世界選手権で切符を逃した場合、出場権を得ていないチームの中でのタイムによるランク8位以内が条件になる。このランキングは2019年1月1日から20年6月29日にかけ、一定の条件を満たした大会の記録が対象だ。

 

「和」から脱却 「個」を磨け…北京五輪銀メダリスト 末続慎吾 38

 日本男子短距離は実力者が次々に台頭し、400メートルリレーチームの底上げが進む。東京五輪での金メダル獲得を成し遂げるために、さらに求められるものとは何か。北京五輪男子400メートルリレー銀メダリストの末続慎吾に聞いた。

      ◇

 今のチームは選手層が厚くなり、走順を決める選択の幅が広がった印象だ。誰を選んでも遜色なく、誰がどの走順でも戦える安心感がある。塚原(直貴)、僕、高平(慎士)、朝原(宣治)さんで戦った北京五輪では、個性の強い4人が偶発的に集まり、化学反応を起こした感じだった。

 僕は第2走者を任されていたが、ここは最も走る距離が長い上に各チームの最高の選手が集まる。2走がエースとされるゆえんで、本来は代えがきかないポイントだ。今の日本は安定した戦いができる一方で、そこまでの重責を担える選手はまだ見当たらない。

 チームで練習を重ねて「和」を作り上げてきたことも特徴といえるが、個人種目になればみんなライバルだ。リレーでより高いレベルを目指すには、選手それぞれがチームの「和」から脱却し、個人種目で結果を出すことが求められる。

482543 1 東京オリンピック・パラリンピック 2019/03/12 05:00:00 2019/03/12 05:53:36 2019/03/12 05:53:36 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190311-OYT1I50054-T.jpg?type=thumbnail

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