競技会場の変更、もうしない…4者確認
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国際オリンピック委員会(IOC)と国、東京都、2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会のトップ級会談が1日、東京都内で行われ、五輪のマラソンと競歩の札幌開催が正式に決まった。一貫して東京での実施を求めてきた小池百合子都知事は「合意なき決定だ」と不満を表明する一方、「大会を成功させる重要性から、決定を妨げることはしない」とも述べ、最終的にはIOCの意向に従う考えを示した。
4者は会談で、札幌移転に伴って新たに生じる費用負担を都に求めず、都と組織委が支出したマラソンと競歩関連の経費でほかの目的に活用できない分は都に対し補償することで一致。これ以外の競技会場を変更しないことも確認した。IOCは都に対し、大会後に東京のコースを利用したマラソン大会の実施も提案した。会談には小池知事のほか、IOCのジョン・コーツ調整委員長、組織委の森喜朗会長、橋本五輪相が出席した。
森会長は4者会談後に開かれた記者会見で、マラソンの発着地やコースの決定など札幌開催に向けた作業を進め、12月のIOC理事会での承認を目指す方針を示した。組織委は発着点として札幌市の大通公園を最有力候補に選定。札幌開催で生じる経費の規模は、競技会場や選手の輸送計画など算出の前提となる項目が決まっておらず、組織委の武藤敏郎事務総長は「どこが負担するかも含めて今後の協議になる」と述べた。