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東京オリンピック2020で使われる選手村の概要が発表されました。3850部屋に1万8000のベッドが配置され、大会期間中は約3万人が集まります。関係者以外は立ち入ることができない選手村の中を紹介します。

選手村のポイント
・食事は24時間提供、選手は無料
・部屋のベッドは段ボール製
・開村日は7月14日

――選手村の場所と広さは
東京都中央区の晴海ふ頭公園周辺に建設され、広さは44ヘクタール(東京ドーム約9個分)。3方を海に囲まれています。選手団が過ごす「居住ゾーン」、グッズ販売やヘアサロンなどの店舗が入る「ビレッジプラザ」、バッグヤードにあたる「運営ゾーン」の三つに分かれています。選手や役員など限られた人しか中に入れません。
今回のオリンピックでは、会場が遠い競技向けに、選手村と同程度のサービスを提供する「分村」もあります。伊豆で行われる自転車競技のための「オリンピックサイクリング村」はラフォーレリゾート修善寺、神奈川県の江の島で行われるセーリングのための「オリンピックセーリング村」は大磯プリンスホテルで、施設の一部を借り上げます。
マラソンと競歩が行われる札幌は分村ではなく、宿泊施設という扱いになるそうです。馬術の馬の世話をする馬事公苑にも宿泊施設ができます。

――選手村の部屋はどんな感じ?
1ベッドルームの個室から、寝室が四つある部屋まで、部屋タイプは300もあります。住宅と違うのは、どのタイプにも台所がないこと。食事は24時間営業の「メインダイニングホール」と呼ばれる施設で取る想定です。
各部屋の中には、寝室と、トイレとシャワーと洗面台がついたユニットバス、共有スペースがあります。選手村全体の部屋数は3850。入り口に鍵がつく寝室の広さは、1ベッドの場合は最低でも9平方メートル、2ベッドでは12平方メートルと決まっています。
冷蔵庫や洗濯機もなく「ホテルの部屋のようなイメージ」(組織委)。宿泊棟は大会後に分譲されますが、間取りを変更して販売するようです。車いすでも入りやすいように入り口や廊下の幅を広げ、動線に段差がほぼない部屋になっているそうです。

――喉が渇いた時や洗濯はどうするの?
宿泊棟の中にスポンサー企業の飲料の自動販売機(無料)があります。洗濯も宿泊棟の中にクリーニングの受付があり、そこに洗濯物を持って行くと、選手村内にあるクリーニング工場で洗って届けてくれます。
――部屋の備品は?
ベッドフレームは、段ボール製。体格の大きなアスリートでも大丈夫か心配になりますが、200キロ・グラムまで大丈夫とか。部屋を打ち合わせスペースとして使う選手団もあることから、楽に動かせる可動性とリサイクルできる点で選ばれました。
フレームの上には、スポンサー企業であるエアウィーヴ製のマットレスに枕。掛け布団にはオリンピックとパラリンピックそれぞれのエンブレムがついています。オリンピックもパラリンピックも同じベッドで、掛け布団は変えるそうです。
クローゼットは、車いすでも手を伸ばしやすいよう中のバーの高さを110センチにしたそうです。ベッド脇のナイトテーブルにも鍵がついています。
寝具以外の備品はすべてレンタルで、大会が終わったら業者が回収、再利用するそうです。
せっけんやシャンプーなどのアメニティはなく、利用者が持って来るか日本で購入する想定です。
――清掃は?
4日に1回のペースでシーツを交換。ゴミの収集は毎日行うようです。

――部屋割りは?
宿泊棟は21棟あり、国ごとにまとまった階や棟を割り振ります。選手団の希望で別の場所に宿泊して、選手村を使わなくてもかまいませんが、選手団側から申し出がない限り、割り振った部屋のカギは先方に渡しておくとのことです。
――開村日は?
オリンピックは7月14日、パラリンピックは8月18日です。
――居住スペース以外の施設は?
ビレッジプラザと呼ばれるエリアに、選手が無料で利用できるヘアサロンやクリニック、ジムなどがあります。選手優先で利用できるよう役員の利用は有料です。
お土産物の店舗や歯ブラシなどの雑貨が購入できるストアも設置される予定ですが、どの業者が入るのか、まだ最終決定はしていません。
※写真は、東京2020組織委員会提供