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70メートル先のCDを狙う、集中力でオリンピック目指す女子高校生

  
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 70メートル離れた距離から、直径10センチ強の「10点満点」を射抜く。集中力と忍耐が必要なオリンピック競技のアーチェリーで、17歳の女子高校生が東京オリンピック出場を目指している。(読売新聞オンライン 千葉直樹)

親元離れ、エリートアカデミーに

3本の指で弓を引く。多い時は1日で800本打つことも。
3本の指で弓を引く。多い時は1日で800本打つことも。

 園田(わか)選手は都立足立新田高校の2年生だ。中学3年で大分県の実家を離れ、有望なジュニア選手を育てる日本オリンピック委員会(JOC)エリートアカデミーに入った。短期間で頭角を現し、昨年6月には世界選手権に出場して17位。東京オリンピックに向けた昨秋の第1次選考会を突破して男女各8人のナショナルチーム入りを果たした。

 70メートル先の標的は直径1メートル22の円だ。中心の黄色い部分が9点と10点の高得点エリアで、10点部分の直径は12.2センチ。CDやDVDぐらいの大きさだ。

 オリンピックでは、予選は「4分以内に6射」を12回繰り返す(計72射)ランキングラウンドと言われる方式。個人戦本戦では1セット3射を1射20秒の制限時間内に行い、最大5セットで勝敗を決する。

持ち味はテンポの良さ

選手たちの練習後の標的。ほとんどの矢は9、10点のエリアをとらえている
選手たちの練習後の標的。ほとんどの矢は9、10点のエリアをとらえている

 カウントダウンされる残り秒数や弓をぶれさせる心拍とのにらみ合い。緊張してドキドキするのは大敵だ。国内トップ選手の弓の強さは女子で平均40~41ポンド(20キロ弱)というから、弓を引く3本の指で米袋を二つぶらさげているイメージだろうか。

 そんな中でも園田の強みは、リズム良く短い間隔で矢を打てることだ。「勢いプラス、リズム良く。強気でいかないと周りの雰囲気に飲み込まれてしまいそうで」。打つ合間に走るなど、心拍数が上がった状態でも落ち着いて打てるよう練習を工夫している。「同じ形で打てば、矢は同じところに行く」(松木裕二・全日本アーチェリー連盟強化担当)という言葉は、シンプルだが深みがある。

 園田がアーチェリーを本格的に始めたのは中学1年の時だった。「注目されていた選手ではなかったが、長身(現在は1メートル69)で立ち姿が良かった。アカデミーで一から作り直し、短期間でここまで伸びた選手はなかなかいない」とナショナルチームの田中伸周監督も驚く急成長で五輪を狙う位置まできた。

多い時は1日800本

 8人の代表選手は2020年3月の2次選考会(静岡)で5人に絞られ、4月の最終選考会(静岡)で上位3人がオリンピック代表に内定する。

 1日に多い時は800本くらい打ちこむという17歳は「経験の浅い分を練習量で補ってきた。日本開催だから絶対にオリンピックに出たい」。ちなみに日本が男女で二つのメダルを獲得した12年ロンドンオリンピックのアーチェリー競技は「ライブで見た記憶はありません。外で(遊んで)駆け回っていたのかもしれません」

 最後に女子高生アーチャーにこれだけは聞きたかった質問を敢行した。

 記者「ちょっと古いけど、ウィリアム・テルって知ってますか?」

 園田「ああ、はい、聞いたことあります!」

 記者「おおっ、それじゃあ、那須与一って分かりますか?」

 園田「ハイ!!」(即答)

 恐れ入りました……

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