完了しました
17日に詳細が公表された東京五輪の聖火リレー。愛知県内では来年4月6、7日に名古屋城や熱田神宮、豊田スタジアムなど15市の歴史、文化、スポーツ施設などの名所をランナーたちが駆ける。ランナーは公募と県実行委員会推薦、スポンサー枠、国際オリンピック委員会(IOC)推薦など計170人以上が務める予定で、県スポーツ課は「聖火リレーを通じて、県の魅力を発信したい」としている。
岐阜県からつないだ聖火は6日午前、愛知県瀬戸市の深川神社でトーチに点火する出発式を行って、スタート。春日井市の複合施設「レディヤンかすがい」、犬山市の犬山城、一宮市の稲荷公園前、稲沢市の国府宮神社楼門前などの歴史、文化施設を通る。途中いくつかの地点では、聖火を歓迎する「ミニセレブレーション」がある。
一方、分けられた火をともした別の聖火である「子どもの火」は、名古屋市の熱田神宮や巨大マネキン「ナナちゃん人形」付近を走る。このうち、名古屋駅前にある高層ビル・ミッドランドスクエア内では、トヨタ自動車名古屋オフィスのある24階から地下1階のイベントスペース内に、ランナー専用レーンを設けて、階段やエスカレーターを聖火をかざして走るという。名古屋市消防局は「聖火を運ぶトーチやランタンの形状、燃料のほか、通路の状況などを踏まえ、しっかりと安全対策を講じれば、ビル内を走ることは可能だ」としている。
初日の最後は、名古屋城の二の丸広場で、聖火到着を祝う「セレブレーション」が開かれる。同市の担当者は「世界中から注目されるイベント。名古屋を象徴する名古屋城を舞台に、市の魅力をうまく発信していきたい」と意気込んでいる。
7日は、豊橋市のこども未来館ここにこから出発。半田市では、醸造所が集まる半田運河を、上半田地区の祭礼「ちんとろ祭」で使われる屋形船「ちんとろ舟」で移動する。半田市の担当者は「屋形船を使った聖火リレーは県内でも唯一の試み。醸造業や海運業で栄えた運河沿いには黒壁の蔵が今でも立ち並んでおり、半田運河のことを多くの人に知ってもらうきっかけになれば」と期待する。
豊川市の豊川稲荷や刈谷市の市歴史博物館、岡崎市の岡崎城、豊田市のトヨタ自動車本社工場などを巡り、ラグビー・ワールドカップ(W杯)の舞台ともなった豊田スタジアム・西イベント広場にゴールし、「セレブレーション」が開かれる。市スポーツ課の大橋史幸課長は「物づくり、スポーツのまちでもある豊田市として、最高の演出ができるよう協力していく。多くの市民に沿道やセレブレーション会場に来てもらって、ランナーを応援するなど五輪を肌で感じ、楽しんでもらいたい」と話している。愛知県内を駆け抜けた聖火は三重県に引き継がれる。