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5月14、15日に13市巡る
山口県は17日、来年5月に県内で行われる東京五輪聖火リレーのランナーに、2016年リオデジャネイロパラリンピックの視覚障害者マラソン女子銀メダリストの道下美里さん(42)ら男女40人を内定したと発表した。県が選ぶランナーは最終的に44人になる予定で、残り4人は後日発表する。
40人は12~86歳。ゆかりの地として、県内全13市6町から1市町あたり2、3人ずつ選んだ。主なランナーは宇部市出身のタレント西村知美さん(49)や、祖父の出身地が美祢市というエッセイスト阿川佐和子さん(66)ら。元選手も選ばれ、04年アテネ五輪柔道女子78キロ級で金メダルの阿武教子さん(43)、同五輪男子マラソン5位の油谷繁さん(42)らが名を連ねた。
トップアスリート以外からも結婚を機に光市に戻り、子育てと仕事を両立する20歳代女性らが選出された。
県内の聖火リレーは5月14、15日に行われ、県内全13市を巡る。岩国市の吉香公園を出発し、美祢市のカルストロードなどを経て2日間で約33キロ走り、萩中央公園(萩市)にゴールする。ランナーは県が選ぶ44人を含め160~180人の予定で、県選出以外は大会のスポンサーが選ぶ。
車いすで炎つなぐ 山口・春名さん意気込み
選ばれたランナーからは意気込みの声が聞かれた。小学6年の時に脳出血を患い、車いすで生活する山口南総合支援学校高等部2年、春名翔弥さん(16)(山口市)は「とにかく笑顔で走りたい」と笑顔を見せた。
脳出血後、四肢のまひなどの障害が残り、4か月間寝たきりの状態が続いた。しかし、厳しいリハビリや周囲の支えもあって、昨年11月の下関海響マラソンでは2キロを車いすで完走した。「責任を持って炎をつなぎたい」と声を弾ませた。
下関市出身の道下美里さんは所属する三井住友海上を通じ、「生まれ育った下関で聖火をつなげられることは感慨深い。(目が)見えていた頃の景色を思い出しながら走りたい」との談話を出した。長門市出身の油谷繁さんも「走る姿を見ることで、オリンピックを目指す子どもたちが増えればいい」と話した。
西京銀行(本店・周南市)の行員でつくる女子バドミントンチーム「ACT SAIKYO」の主将、斎藤栞さん(21)(下松市)も選ばれた。斎藤さんは「苦しいこともあるが達成感が得られるスポーツの素晴らしさを伝えようと応募した。アスリートらしく堂々と駆け抜けたい」と語った。