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自然や復興 聖火で発信 名所や被災地巡る

  
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4月22、23日 全20市町

 2020年東京五輪聖火リレーの愛媛県実行委員会は17日、20年4月に全20市町を巡る174区間(約30キロ)の詳細なルートとともに、県や各市町が選考した44区間のランナー52人を発表した。アテネ、北京両五輪の女子マラソンに出場した土佐礼子さん(43)らが決まったほか、スポンサー企業枠130区間の公募でも内定通知が始まり、聖火をつなぐことになったランナーは「愛媛の魅力を発信したい」と意気込む。

 聖火は20年3月26日に福島県を出発して47都道府県を巡り、県内には14番目にやってくる。4月22日は四国中央市をスタートし、松山市に向かう81区間の約14キロ、23日は砥部町から南予をまわり、八幡浜市でゴールする93区間の約16キロ。ルートに道後温泉や松山城、内子座などの名所が盛り込まれ、昨年7月の西日本豪雨で浸水被害に遭った大洲市中心部の市街地なども経由する。

 西条市の石鎚山や離島の上島町に移動する際は、同じ種火からともした「子どもの火」を使う。1区間は200メートル前後で、走るのは基本1人だが、最大10人のグループランナーも認められている。各地点の出発や到着の時間は調整中で、ランナーがどの区間を走るのかも未定という。

 ランナーの公募・推薦枠は各市町2人で、豪雨の被害が大きかった宇和島、大洲、西予3市だけは「復興枠」として1人多い3人。7~8月の公募に1033人が応じ、自己PRや志望動機を踏まえて選考され、推薦を含めて12~90歳の計43人が決まった。新居浜市からは、ロサンゼルス五輪の重量挙げ52キロ級で銅メダルを獲得した真鍋和人さん(61)も選ばれた。

 市町とは別に、県は地元のスポーツ振興に貢献した点などを評価し、グループランナーとして1組9人を推薦した。土佐さんを代表者とし、平昌(ピョンチャン)五輪スピードスケートに出場した郷亜里砂さん(32)、ロンドンパラリンピック陸上で活躍した井上聡さん(41)らが入った。

 県スポーツ・文化部の高石淳部長は記者会見で「聖火リレーを通じて県の自然や歴史など多彩な魅力をPRし、西日本豪雨災害から復興に向かう姿を広く発信したい」と話した。

ミカンの魅力 走り広める 八幡浜の農家・飯田さん

聖火ランナーに内定した飯田さん
聖火ランナーに内定した飯田さん

 スポンサー企業枠で聖火ランナーに内定した八幡浜市真穴地区のミカン農家飯田衣美さん(48)は「まさか本当に選ばれるなんてびっくり。とても光栄です」と話す。

 松山市生まれの飯田さんは、1997年にミカン農家の夫に嫁いだ。一年中忙しい農作業の傍ら、2013年頃からツイッターやフェイスブックなどで「真穴みかん」の魅力を発信している。「柑橘(かんきつ)を通じ、美しい自然や温かい人などふるさとの魅力を知ってほしい」との思いからだ。

 6月に聖火ランナーの募集を知ると、「チャレンジして頑張っている姿を見てもらえれば、周りの人たちにも元気をお裾分けできるかもしれない」と申し込んだ。応募動機に、ミカンと地域の魅力を広めたいという思いを書き込んだところ、今月12日に内定通知が届いた。

 走る範囲は未定だが、「できれば八幡浜のミカン農園の近くを走りたい。ふるさとへの感謝を胸に走ります」と意気込んでいた。

仮設住宅に住む人たちに勇気を 西予の越智さん

 最年少ランナーは、西予市立野村小6年越智夢望さん(12)。西日本豪雨では自宅が浸水被害に見舞われ、現在も仮設住宅での暮らしが続くが、越智さんは「聖火ランナーに選ばれてとってもうれしい。仮設住宅に住む人たちにも伝えて、笑顔になってほしい」と喜んだ。

 自宅は4メートル以上も水につかって既に取り壊され、大事にしていたぬいぐるみや教科書など全てを失った。「つらくて泣いた。それでも文房具や洋服など支援物資をいただけたので、頑張れた」と振り返る。

 本番に向けて、「支援してくれた人たちにお礼を込めて走ります。元気に楽しく走っている姿を見せて、みんなを勇気づけたい」と笑顔を見せた。

64年五輪伴走者「祖父のように」 砥部の古田さん

 砥部町のランナーに選ばれたのは、町立砥部中2年古田瀬理奈さん(14)。祖父の山平豊さん(71)は1964年東京五輪で、聖火ランナーの伴走者を務めた。山平さんは当時、県立北条高校の陸上部員。トーチを掲げるランナーに伴走者約20人と列になって、松山市内の約1キロを駆けた。「沿道の応援に圧倒され、あっという間だった」と振り返る。

 幼い頃から山平さんの話を聞いてきた古田さんは聖火ランナーへの憧れを持っていたが、どこか遠い世界の話と感じていた。まさかの当選に、「本当にびっくり。私もおじいちゃんのように友人や家族に誇れる走りをしたい」と意気込んだ。山平さんは「孫が聖火を持って走るなんて感無量。緊張せずに、自分のペースで楽しんでほしい」とエールを送った。

全盲で夢つかむ障害者にエール 宇和島の稲葉さん

 全盲で、南予視覚障害者協会長を務める稲葉哲也さん(60)(宇和島市)は「夢がかなった」と感激した様子。「中学生向けの福祉学習で、『障害者も少しの手助けがあれば、ある程度のことはできる』と教えているので、その証しを示したかった。障害者に『もっと頑張ろう』と呼びかける気持ちで走りたい」と話していた。

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1064217 0 東京オリンピック2020速報 2019/12/18 05:00:00 2019/12/18 05:00:00 2019/12/18 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/02/20200220-OYT8I50074-T.jpg?type=thumbnail
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