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東京五輪の聖火ランナーに選ばれた広島県三次市の冨久正二さん(103)が6日、同市のみよし運動公園陸上競技場で練習を再開した。天候や体調を考慮し、例年冬の間は練習を控えており、ランナー決定後にグラウンドを走るのは初めて。体の動きを確かめ、「
97歳で陸上を始め、2017年7月の中国マスターズ陸上の60メートル走(男子100~104歳の部)では16秒98の日本記録を樹立した。
練習は冬を除いて週1回、冨久さんを応援するクラブの仲間約20人と一緒に同陸上競技場で行っている。昨年12月からは、自転車のペダルこぎや足踏みなどの健康器具を使って、自宅でのトレーニングを続けてきた。
この日の練習に合わせ、聖火リレーで用いるトーチと同じ重さ1・2キロ、長さ71センチの棒をクラブの仲間が手作りで用意。右手に棒を持った冨久さんは、本番で走るのと同じ200メートルに挑んだ。

冨久さんは途中で何度か立ち止まったものの、仲間から「頑張れ」「顔上げて」との声援を受けながら力強い足取りで完走。普段走る距離は100メートルまでで、初めてという200メートルの距離を「長いねえ」と驚き、「トーチがずっしり重いから、手が下がると体が傾くのを修正しないと」と冷静に分析していた。
クラブの紙川一真さん(81)は「闘志がすばらしい。本番も応援に行く」と話し、コーチの貞末啓視さん(69)は「まずはトーチの重さと走る距離に慣れ、スタミナを付けて姿勢良く走れるよう練習を積みたい」と見守った。
練習前には、今年1月に103歳を迎えた冨久さんを祝って仲間が用意したケーキを囲む場面もあった。
冨久さんは5月18日、県内のコースで聖火ランナーを務める。「これからの人生の大きな仕事だと改めて思った。とにかく速度は気にせず、同じ歩幅で、こけないように頑張ります」と笑顔で話していた。