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家族、恩師、地元から選手へエール…オリンピック延期

 
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 延期された東京オリンピックの開幕が来年7月23日に決まりました。代表に内定済みの選手、代表入りが有力な選手、代表を目指す選手、それぞれがこの日を目標に再スタートを切ります。読売新聞の3月26、27日付朝刊の地域版では、約1年先延ばしの日程が決まったことを受けて、選手の関係者らが声を寄せていますので、それらをピックアップしてみました。選手たちにエールよ届け――。

「麻緒なら必ず気持ち切り替えられる」

名古屋ウィメンズマラソンで優勝した一山麻緒選手。東京オリンピックの代表に内定した(2020年3月8日)
名古屋ウィメンズマラソンで優勝した一山麻緒選手。東京オリンピックの代表に内定した(2020年3月8日)

 まずは、女子マラソンの一山麻緒選手(22)。名古屋ウィメンズマラソンを詳報した3月9日付の読売新聞朝刊運動面で「代表を決める最後の舞台で、シンデレラが現れた」と称されました。この時、女子マラソンの日本歴代4位、日本人国内最高の2時間20分29秒をマークして一躍代表に内定しました。

 出水中央高(鹿児島県出水市)時代の恩師で同校女子駅伝部監督の黒田安名さんは、「調子が良かったので、今年走れないのは残念だが、延期になっても麻緒なら必ず気持ちを切り替えられる」と話しています。

「今まで通りの頑張りを」

卓球の代表選手発表の記者会見後、東京大会への決意を語る石川佳純選手(2020年1月6日)
卓球の代表選手発表の記者会見後、東京大会への決意を語る石川佳純選手(2020年1月6日)

 卓球の石川佳純選手(27)(山口市出身)は昨年12月、ワールドツアー上位選手が争うグランドファイナル(中国)の女子シングルス1回戦で世界女王の中国選手に敗れたものの、ライバルの平野美宇選手も敗れ、世界ランキングの関係でシングルス代表の座を手中にしています。「今までで一番つらい(オリンピック代表)レースだったが、出られるのでうれしい」(19年12月13日付読売新聞朝刊運動面より)と印象的なコメントを残しました。

 東京大会ではシングルスでの活躍に加え、過去2大会同様、日本女子チームの団体戦メダル獲得への貢献も期待されています。父・公久さんは「娘も『中止にならなくてほっとした』と話していた。娘には今まで通り頑張ってほしい」とコメントしています。

「これまでの頑張りに涙が出そう」

 同じ山口市出身なのが、柔道男子73キロ級で代表に内定している大野将平選手(28)です。渡辺純忠市長は3月25日の定例記者会見で、「(卓球の)石川選手や大野選手の内定は厳然たる事実。内定が続くと信じて応援していく」と語りました。

 マラソンや卓球では内定を維持する方針が決まっていますが、柔道の内定者の扱いについては、全日本柔道連盟の常務理事会などを経て決まることになっています。

 鹿児島県霧島市出身で柔道女子78キロ級代表に内定している浜田尚里選手(29)の後援会長、後庵博文さん(霧島市)は「(延期は)本当に残念で、彼女のこれまでの頑張りに涙が出そう。オリンピックまで引き続き支援していく」と寄り添います。

姉妹でオリンピック切符「そのまま本番まで」

レスリングの世界選手権で銅メダルを獲得し、東京大会の女子62キロ級代表に内定した川井友香子選手(右)。前々日に57キロ級の代表内定を決めていた姉の梨紗子選手が祝福した(2019年9月20日、カザフスタン)
レスリングの世界選手権で銅メダルを獲得し、東京大会の女子62キロ級代表に内定した川井友香子選手(右)。前々日に57キロ級の代表内定を決めていた姉の梨紗子選手が祝福した(2019年9月20日、カザフスタン)

 石川県津幡町出身でレスリング女子57キロ級と62キロ級の代表にそれぞれ内定しているのが、川井梨紗子選手(25)と、妹の友香子選手(22)です。

 リオデジャネイロ大会金メダルの梨紗子選手はオリンピック4連覇の伊調馨選手と争った末に代表の座を死守、友香子選手も昨年9月の世界選手権(カザフスタン)で敗者復活戦から勝ち上がって銅メダルを獲得する粘り腰で代表内定を果たしました。

 東京大会の延期を受けて日本レスリング協会の福田富昭会長からは「既に出場権利を取っている選手を尊重したい」との言及もありますが、母・初江さんは「2人が自力でつかんだ代表。そのまま本番を迎えてほしい」と晴れ舞台で躍動する姉妹の姿を願っています。

「気持ち、切らさないで」

東京大会のスポーツクライミング代表に内定し、茨城県龍ヶ崎市役所に報告に訪れた野口啓代選手(2019年8月29日)
東京大会のスポーツクライミング代表に内定し、茨城県龍ヶ崎市役所に報告に訪れた野口啓代選手(2019年8月29日)

 スポーツクライミングの女子代表に内定している茨城県龍ヶ崎市出身の野口啓代選手(30)は3月24日、大会延期の報道を受けて「家の壁でたくさんトレーニング出来るね」と家族にメッセージを送ったといいます。

 自宅に練習用の壁を作るなど惜しみないサポートを続けてきた父・健司さんは、野口選手が集大成と位置づけて全てをかけていた大会の延期に「簡単には整理がつかないというのが正直なところ」と吐露、母・信子さんも「照準を合わせていたでしょうから、ピンと張り詰めていたものがゆるまなければ」と気遣っています。

「応援熱は下げない」

 バドミントン男子シングルスのエース・桃田賢斗選手(25)の出身地、香川県三豊市の市民センター三野では、桃田選手関連の展示が行われています。市役所三野支所や三野町公民館などが企画したもので、会場にはサイン入りパネルや、桃田選手の両親から借りた世界選手権の金メダル、昨年12月のワールドツアー・ファイナルの優勝トロフィーなどが展示されています。

 同公民館の西川正明館長は「延期されても応援熱が下がらないよう展示を続け、地元から声援を送っていきたい」と話しています。

内定組へ「いい方向に考えるのが大事」

水泳の世界選手権女子3メートル板飛び込みで決勝進出を決め、代表内定を確実にした三上紗也可選手(2019年7月18日、韓国・光州)
水泳の世界選手権女子3メートル板飛び込みで決勝進出を決め、代表内定を確実にした三上紗也可選手(2019年7月18日、韓国・光州)

 水泳の飛び込みで代表に内定している三上紗也可選手(19)の地元、鳥取県の川口武・県水泳連盟会長も、「(延期は)技の精度を高められる。いい方向に考えるのが大事」と話します。延期論が強まっていた3月24日昼に連絡を取ると、三上選手が「たとえ一からのやり直しでも、また代表枠を取る」と気丈に話したことから頼もしく思ったといいます。

 セーリングの男子レーザー級で代表に内定しているのが佐賀市出身の南里研二選手(27)。父・一夫さんは「やっとつかんだオリンピック出場だったので、がっかりしていると思う」と慮っています。2012年のロンドン大会、16年のリオ大会は代表入りを逃し、3度目の挑戦で初めてオリンピックの切符をつかみました。一夫さんは「代表に選ばれるだけの結果を出してきたのだから、延期しても精神面はきっと大丈夫。遠くから見守りたい」と語っています。

つかめ、代表の座

 青森県弘前市出身で、プロ野球・西武の外崎修汰選手(27)の父・日出城さんは「代表に選ばれると期待が高まっていたので、延期は残念だ」と話しました。外崎選手は延期論が高まった3月24日夕、電話越しに「延期になったら悔しいけど、また1年間頑張る」と淡々と話したといいます。日出城さんは「けがをせずに試合で結果を出し続けてくれれば、来年でも出場できるはず」と期待を込めます。

アーチェリーの東京オリンピック日本代表2次選考会を、トップで通過した古川高晴選手(2020年3月22日)
アーチェリーの東京オリンピック日本代表2次選考会を、トップで通過した古川高晴選手(2020年3月22日)

 ロンドン大会アーチェリー男子個人の銀メダリストで、5度目の出場を目指す古川高晴選手(35)は青森市出身で、青森東高時代に競技を始めました。恩師の手塚義浩さんは「選手にとって1年は大きいが、こういう状況なのでしょうがない」と思いやります。オリンピック出場が決まったら古川選手の試合を観戦する予定だったといい、「最近の様子を見ると半年、1年延びても大丈夫だと思っているので期待したい」と話しています。

 バドミントン男子ダブルスで代表入りを目指す園田啓悟(30)、嘉村健士(30)両選手は全英オープンから帰国後、日本バドミントン協会から2週間の自宅待機を要請されました。2人を指導するトナミ運輸バドミントン部の荒木純監督は「これから1年間彼らが出場できるようサポートし続ける」と話しています。

 自転車競技でロンドン大会以来の出場を目指す競輪の新田祐大選手(34)は福島県会津若松市出身。父・一則さんは「年齢的にもあと1年、血のにじむ練習を続ける意欲が保てるのか」と思いやり、「オリンピックは正直なところ今年やってほしかったが、どんな道を選択したとしても、努力を誇りに思う」と話しています。

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1142476 0 東京オリンピック 2020/04/01 17:00:00 2020/04/02 14:54:27 2020/04/02 14:54:27 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/03/20200331-OYT8I50064-T.jpg?type=thumbnail
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