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男子レスリング・高谷惣亮 重量級の筋トレ追究…課題分析 修士論文に

 
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 東京五輪で日本勢のメダルラッシュが期待されるレスリングにあって、苦戦している男子重量級で、フリースタイル86キロ級の高谷惣亮たかたにそうすけ(31)(ALSOK)は、重量級に必要なトレーニングを修士論文にまとめるなど研究も重ねつつ、トレーニングに励んでいる。「重量級の豪快さは競技の花形。日本人も勝てるところを見せたい」と、エースの自負をのぞかせる。(波多江航)

「日本人も勝てる」

昨年の世界選手権に出場した高谷惣亮(カザフスタンのヌルスルタンで)=里見研撮影
昨年の世界選手権に出場した高谷惣亮(カザフスタンのヌルスルタンで)=里見研撮影

 レスリングの男女全18階級中、まだ出場枠を得ていない10階級の多くが男子重量級。高谷は、社会人アスリートとして活躍しながら、2018年に筑波大大学院に進学し、今春修了。修士論文のテーマは、「レスリングにおけるウェートトレーニングと心理的競技能力の変化」。全日本選手権上位の選手でも、バーベルなどを使ったトレーニングによって最大筋力とともに集中力など心理テストの数値も伸ばせると結論づけた。

 論文では、日本の重量級が抱える課題も指摘。代表でも実績のある選手、コーチは軽量級が多く、強化メニューも走り込みや腕立て伏せなどの自重トレーニングが中心だ。これに重量級の選手はついていけず、練習中から「諦めに似た感情」があるとしている。一方で筋肉量を増やす効果のあるウェートトレーニングは、減量がつきものの軽量級では、まだまだ関心が低いという。

 「何が足りないのか自分でマネジメントして世界と戦える体を作らないといけない」。そう訴える高谷自身、2012年ロンドン、16年リオデジャネイロ両大会で出場した74キロ級から階級を上げて臨む東京五輪は大きな挑戦だ。新型コロナウイルスの影響で競技練習ができない厳しい状況の中でも、重量級躍進の礎となるべく、懸命に自主トレーニングを続けている。

 大学院で指導した1988年ソウル五輪柔道女子(公開競技)52キロ級銅メダルの山口香教授は「(高谷は)課題を冷静に分析する力を持っている。予定通りに進まない今、これまで学んだことが生きてくるはず」と期待を寄せる。

80キロ以上 メダル三つだけ

 五輪のレスリング男子で、日本勢はこれまで金21個を含む53個のメダルを獲得している。だが、80キロ以上の階級に限ると、1984年ロサンゼルス、88年ソウル両大会のフリー90キロ級で銀を獲得した太田章氏、84年ロス大会フリー82キロ級銀の長島偉之氏の計三つと階級に偏りがある。「日本人は平均的な体つきが元々小さく、重量級は選手層が薄い」と、現在は早大教授の太田氏は指摘する。

 それでも結果を出せることは太田氏自身が証明している。転機はロス大会を前に階級を上げたこと。身長1メートル80、82キロ級だった当時は「どうしても海外勢に力負けする。身長は変えられないから階級を上げて、その分、筋肉をつけよう」と考えた。身長、リーチを生かすため減量によって軽い階級にとどめる戦略から発想を転換してつかんだ快挙だった。

 勝敗を分ける最大の要因は、「あくまでレスリング技術。その点、階級を上げると相手の動きがゆっくりに見えて戦いやすい」という。太田氏は「高谷の技術は確か。あとは勝ち上がるために必ず新しい技が必要になる。相撲や柔道など他の格闘技も参考になる」と、来春、五輪予選へ臨む後輩にエールを送る。

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