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[アスリートはいま]親子の挑戦 困難越える自転車女子オムニアム 梶原悠未 23(筑波大院)

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世界選手権の優勝者に贈られる「マイヨ・アルカンシエル」に袖を通す梶原(右)と母の有里さん(3月11日)
世界選手権の優勝者に贈られる「マイヨ・アルカンシエル」に袖を通す梶原(右)と母の有里さん(3月11日)

 今年の母の日は便箋1枚に感謝をつづり、母の有里さん(48)に渡した。コロナ禍が収束した後にコース料理をプレゼントしようと、添えたのは手作りの「フレンチご馳走ちそう券」。外出が制限されるなか、できる限りの方法で思いを伝えた。

 有里さんとは、二人三脚で歩いてきた。競技と学業との両立を目指し、指導者のいない筑波大に進学してからは、有里さんに国内各地の試合に同行してもらうようになった。昨年は、腰を据えて五輪に備えるため、試合会場近くの静岡県伊豆の国市に2人で引っ越した。

 今年2~3月の世界選手権では、中距離4種目の合計得点で争うオムニアム女子で優勝し、五輪出場を確実にした。あとは、残り半年間で最後の仕上げをして金メダル――。そんな青写真を描いた直後、大会の延期が決まった。

 数か月先まで細かく計画を立てるタイプ。日々の練習すら見通しが立たない状況に戸惑い、「練習に身が入らない時期があった」。だが、目の前にやるべきことはある。「気持ちが切れたら、負け」と言い聞かせ、自宅でのトレーニングに励んだ。

 心にとどめているフレーズがある。「困難を乗り越える過程が、人を成長させてくれる」。高校生の頃、五輪への挑戦が失敗に終わるかもしれないとの不安から、競技に全てをささげる覚悟が持てなかったとき、有里さんにかけられた言葉だ。自粛ムードの中で、「今まで普通に練習できていたのは、当たり前のことじゃなかった」と実感できたのはプラスになった。

 競技歴は7年で伸びしろがあり、準備の期間が増えた分、大きくレベルアップする可能性がある。五輪は「親子の挑戦」と位置づける大舞台。力をため込んで、来年の夏を待つ。(北谷圭)

 かじはら・ゆうみ 1997年生まれ、埼玉県出身。埼玉・筑波大坂戸高で自転車競技を始め、2017年のワールドカップで日本女子として初めて、中距離4種目の合計得点で争うオムニアムを制した。今年の世界選手権の同種目でも日本女子で初めて優勝した。1メートル55、56キロ。

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