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東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は10日、オンラインで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)の理事会に対し、参加者の削減要請や関連イベントの再検討など大会簡素化を柱とする基本原則を報告した。IOCは了承し、組織委とIOCが協力して準備を進めていくことを確認した。
新型コロナウイルスの感染拡大で五輪・パラリンピックの開幕が2021年夏に延期されて以降、組織委がIOC理事会で準備状況を報告するのは初めて。組織委は簡素化の実現に向け、コスト削減とコロナ対策の両面からの対応が必要と強調。延期に伴う費用も最小化し、国民や都民から理解を得る努力を行うことも表明した。
その手段としてサービス水準の見直しを行うほか、IOCや国際競技連盟、各国・地域の国内オリンピック委員会の役員らの参加者数の削減を要請したり、関連イベントの開催を再検討したりする意向を示した。大会の根幹となる競技や選手の数は見直しの対象とはしないが、コロナの感染状況によっては新たな対応を取る可能性にも言及した。

組織委は延期に伴い、大会開催までの新たなロードマップ(行程表)も公表した。今月中に延期によって生じた課題の洗い出しや競技日程・会場の調整を済ませ、9月から今年末までかけてコロナ対策を検討していく。21年初めには、コロナへの対応を大会の運営計画へ盛り込み、本番に向けて準備を加速させていく。
組織委の森喜朗会長は記者会見で、「来年夏の新型コロナウイルスと世の中の状況については不透明かつ様々な観測が存在し、仮定のシナリオについて臆測し、論じるのは時期尚早。必要に応じて、その時点で対応するなど関係者とよく相談したい」と述べた。
IOCのトーマス・バッハ会長は理事会後の記者会見で、組織委の報告について「来年7月に素晴らしい大会を運営するとの日本の決意と能力を示してくれた」と語った。