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野球・ソフト 主役は誰だ…「東京2020 1年後見据えて」トークショー

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 来年の東京五輪で3大会ぶりに五輪競技に復活する野球・ソフトボール。過去の日本代表の戦いぶりや来年の五輪に向けた期待などを、アテネ五輪野球日本代表の監督代行を務めて銅メダルを獲得した中畑清さん(66)、アテネ五輪に選手として出場した前巨人監督の高橋由伸さん(45)、シドニー五輪で銀、アテネ五輪で銅メダルのソフトボール女子日本代表監督を務めた宇津木妙子さん(67)に語ってもらった。6月28日に無観客で開催され、読売新聞オンラインで配信されたトークショー「東京2020 復活!野球・ソフトボール 1年後を見据えて」(読売新聞社主催)から抜粋する。

日の丸手を当て

トークショーに出演した(左から)元ソフトボール日本代表監督の宇津木妙子氏、前横浜DeNAベイスターズ監督の中畑清氏、読売巨人軍特別顧問の高橋由伸氏=高橋美帆撮影
トークショーに出演した(左から)元ソフトボール日本代表監督の宇津木妙子氏、前横浜DeNAベイスターズ監督の中畑清氏、読売巨人軍特別顧問の高橋由伸氏=高橋美帆撮影
中畑清さん
中畑清さん
高橋由伸さん
高橋由伸さん

 中畑さんは、初めてプロ選手だけで臨んだアテネ五輪で、病に倒れた長嶋茂雄監督の代行を務めた。

 中畑「長嶋さんの代わりなんて誰もできない。そんなに経験もない私が、『私でいいんですか』というところもありながらね、謙虚に言えばですよ。でも、やらなきゃいけない。そのときの(高橋)由伸とか、非常に良いメンバーだった。(主将の元ヤクルト)宮本慎也が『苦楽を共にしましょう』と言葉をかけてくれた瞬間に、ふわーっと力が抜けたんですよね」

 高橋「いいチームでしたね。まず初めてのオールプロで臨むというところで、もう絶対勝たなくちゃいけない、負けは許されないというところから選手もスタートしていますので、目標とするものは当然みんな同じ方向を向いていましたし、色々なことがあったけれど、最後まで選手の気持ちが変わらなかった。本当に一つになって戦ったチームだなというのは感じましたね」

 本番では長嶋さんのユニホームをベンチに飾って試合に臨んだ。

 中畑「長嶋さんは(五輪予選の時に)フォア・ザ・フラッグ(日本のために)とか、すごくわかりやすいメッセージを掲げてチーム作りをしていた。全員、日の丸と長嶋さんの3番に手を当てて、それからベンチを飛び出すというね」

 高橋「僕らも重圧というか、何かにすがりたい思いもあるんですよね。そういうことで少し自分の気持ちを落ち着かせる、という意味で皆、触れてから行ってましたね」

 中畑さんは、台湾戦での高橋さんのプレーが印象に残っている。

 中畑「(延長十回、サヨナラの好機に)由伸が三塁走者で、わざわざ私に『浅いフライでも行きますか(タッチアップするか)、どうですか』って質問したんですよ。でも実際ね、その形になる。こいつ、すごい予知能力あるなと思って」

 高橋「豪州戦で1敗した後、絶対もう負けられないという状況の試合で、しかも劣勢な試合だったんですね。これを落とすと大変なことになるなというので、何とか最後のチャンスで勝たなくちゃいけないと、ただ必死だったと思う。研ぎ澄まされた何かがあったんでしょうね」

 高橋さんはプロ野球のシーズンとの違いも実感した。

 高橋「五輪もシーズンもそもそも当然、勝ちを目指してやる野球は一緒なんですけれど、長いシーズンと短期決戦の違いもあるし、当然、プロ野球は勝つだけでは個人的にはいけない部分もある。でも五輪は勝つ以外の正解がないので。そうすると準備の仕方も全然違うのかな」

 銅メダルだったアテネ大会を2人はこう振り返る。

 高橋「金メダルじゃなかったけれど、達成感というのは非常にあったと思いますね」 中畑「チームが持っている力を出し切れたんじゃないかな。どこかに、私にも自負はあるんですよ」

稲葉監督に注目

 1年延期となった東京五輪。鈴木誠也(広島)らの代表入りが予想される中、中畑さんは、キーマンに稲葉篤紀・現日本代表監督を挙げた。

 中畑「(監督に就任してから)結構長いじゃないですか。良いチームを作ってくれているなというのは手に取るように分かる。ただ長く(コーチや選手と)付き合う上で、良い緊張感を持続させなきゃいけない。そういうところでいくと、監督の演出の仕方はすごく大事になってくる。あえて真面目な稲葉監督に注目したいなと。決断も含めね」

「第2の上野」期待

宇津木妙子さん
宇津木妙子さん

 2大会で監督を務めた宇津木さんも、五輪の重圧と戦ってきた。

 「世界選手権とは全然違う。ユニホームの重みをすごく感じた。4年にいっぺんじゃないですか。これだけ覚悟してやったのに、やっぱり最後は結果ですからね。これが五輪なんだなと。選手よりも、指揮官の私が最後は未熟だな、というのは感じました」

 シドニー大会は悔いが残っている。

 「アトランタは4位。シドニーに向けては4年間、本当に練習した。15人の選手に役割を持たせて、自覚させながら徹底的に練習した。ソフトボールを何とかメジャーに、何とかメダルをという、私も選手も皆同じような気持ちで戦えた」

 「(米国との)決勝戦で(現日本代表監督の宇津木)麗華が本塁打を打った瞬間に『行けるぞ』と。でも投手交代で1イニング(タイミングを)逃しちゃった。これは自分の失敗。周りは『金に近い銀』と言ってくれたけれど、本当に悔やまれる。一生だと思いますね。シドニーの選手には申し訳ない気持ちでいっぱいです」

 かつて共に戦った上野由岐子(ビックカメラ高崎)は、今も日本のエースとして活躍。東京五輪への期待も変わらない。

 「上野は今年、仕上がりいいなと思っていた。覚悟はできている。本人は(五輪の試合は)全部投げるぐらいの気持ちでいると思う。この間も『これをこうしたらライズ(ボール)がちょっと曲がるんですよね』とか、いまだに新しいボールを自分の中で探している姿を見ると、すごいなって」

 「第2の上野」は出るか?

 「若いサウスポーで、トヨタ自動車に後藤(希友みう)という投手がいます。勢いがあっていいと思いますよ。1年延びたことで、『上野さんより私が』という気持ちの選手が何人か出てきたら、と期待していますけどね」

 大舞台で力を発揮するために必要なことは何か。

 「選手だったら『私はできるんだ』という、強い気持ち。それしかない。15人が『絶対これだけは誰にも負けない』というものを持っていたら、良い結果が出ると思います」

       ◇

 なかはた・きよし 1954年生まれ。福島・安積商高(現帝京安積高)から駒大を経て1976年にドラフト3位で巨人入団。89年限りで現役を引退し、巨人コーチを経て2012年からDeNAの初代監督に就任し、15年まで務めた。プロ通算1294安打、171本塁打、621打点、打率2割9分。

 たかはし・よしのぶ 1975年生まれ。神奈川・桐蔭学園高から慶大を経て98年にドラフト1位で巨人入団。2007年にシーズン最多記録となる初回先頭打者本塁打を9本放った。プロ通算1753安打、321本塁打、986打点、打率2割9分1厘。15年限りで現役を引退し、16~18年に巨人監督を務めた。

 うつぎ・たえこ 1953年生まれ。埼玉県出身。日本リーグ初の女性監督として当時3部だった日立高崎(現ビックカメラ高崎)監督に就任し、屈指の強豪に育て上げた。97年に日本代表監督に就き、2000年シドニー五輪で銀、04年アテネ五輪で銅メダルを獲得した。

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1362318 0 東京オリンピック2020速報 2020/07/24 05:00:00 2020/07/24 02:48:49 2020/07/24 02:48:49 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/07/20200723-OYT1I50042-T.jpg?type=thumbnail
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