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五輪「安全」アピール IOC会長・首相会談 会長選、経済再建…思惑一致

  
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会談前にIOCのバッハ会長(左)と拳を合わせる菅首相(16日、首相官邸で)
会談前にIOCのバッハ会長(左)と拳を合わせる菅首相(16日、首相官邸で)

 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が東京五輪・パラリンピックの延期後、初めて来日したのは、新型コロナウイルス感染が世界的に再拡大する中、大会実現を引き続き目指す決意を国際社会に示す狙いがある。菅首相も経済再建の象徴として五輪開催を重視しており、思惑が一致した格好だ。

■成功に自信

 「参加者全てにとって安全な大会になる環境を担保する」

 バッハ氏は16日、首相との会談後、首相官邸で記者団にこう語り、来夏の大会成功に自信を示した。

 バッハ氏は首相に対し、新型コロナのワクチンが開発された場合、海外選手が来日前に接種できるよう支援する考えを示した。

 首相が東京ドームや横浜スタジアムで行われたプロ野球の試合で感染対策の新技術を導入し、入場制限を緩和する試みを行ったことを紹介すると、バッハ氏は「大変心強い」と評価した。

 米欧などの感染拡大で五輪への懸念は選手や競技団体、スポンサー企業で高まっており、バッハ氏の来日は「開催に向けた不退転の姿勢を世界にアピールするためだ」(日本政府関係者)との見方が多い。実際、12月にセルビアで開催予定だったレスリングの世界選手権は選手のエントリー数が規定に達せず、中止に追い込まれた。バッハ氏にとっては再選を目指す来年3月の会長選に向け、求心力を高めたいとの事情もあるとみられる。

 五輪を是が非でも開催したいのは首相も同じだ。首相は新型コロナ対応で主導してきた経済再開路線の集大成に五輪開催を位置付けている。海外からの観客も入国を許可し、日本の新型コロナ対策の成功を内外に示したい考えだ。

 五輪開催は、首相の衆院解散戦略とも密接に絡む。選挙の時期を最も遅らせる場合、大会終了後に五輪ムードの盛り上がりを受けて解散に踏み切るのが有力な選択肢となっている。

■来春が焦点に

 政府は9月以降、感染症対策を検討する調整会議(議長・杉田和博官房副長官)を開いており、年内の中間整理に向けて議論は大詰めを迎えている。これまでに国際大会などに参加する外国人選手らが入国後14日間の待機を免除される仕組みを作り、選手村に「発熱外来」を設置するなどの調整が進められている。

 観客対策では、観戦チケットを持つ外国人観光客に限って入国を許可し、観客数の上限は国内の大規模イベントの規制に準じて決める案が出ている。

 ただ、国内外で感染者増が続く中、観客を巡る議論は停滞しており、方針の決定は来春までずれ込む見通しだ。春は五輪の予選や選手の大会準備が本格化する時期でもある。

 バッハ氏は16日夕の記者会見で、観客数について「満員かもしれないし、数値は低いかもしれない。結論を出すのは時期尚早だが、安全を最優先する」と語り、今後の感染状況などを踏まえて決める意向を示した。

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1631630 1 東京オリンピック2020速報 2020/11/17 05:00:00 2020/11/17 05:00:00 2020/11/17 05:00:00 国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長(左)と会談前に拳を合わせる菅首相(16日午前11時17分、首相官邸で)=源幸正倫撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201117-OYT1I50024-T.jpg?type=thumbnail
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