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[用具革新]タッチの差 瞬時に判定

 
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 11月15日にハンガリーのブダペストで行われた競泳短水路(25メートル)の男子50メートルバタフライで、日本記録保持者の川本武史(トヨタ自動車)が後続と0秒01差で1位となった。計時システムのハイテク化により、接戦でも勝敗を巡る論争はほぼ見られなくなった。

 競泳では、プールの壁に設置された「タッチ板」を選手が押してタイマーを止め、1000分の1秒単位を切り捨てて公式記録とする。来年の東京五輪でも公式計時を担うオメガの製品では、1・5~2・5キロ・グラムの力でストップ。作動しなかった場合は毎秒100枚を撮影するカメラでタイムを判定する。

 導入の契機は1960年ローマ五輪での「大論争」。当時は複数のタイムキーパーが目視で計測していたが、男子100メートル自由形で米国と豪州の選手がほぼ同時にゴール。明確な根拠を示せないまま豪州選手が優勝し、米国側から異議申し立てが行われる騒動に発展した。

 ここからタッチ板の開発が進む。多くの国内大会で製品が使われているセイコーによると、64年東京五輪で導入。求められるのは波などの水圧には反応せず、なおかつ正確に計時できる技術だ。現在用いられているのは、オメガでは縦長の細い板をつなぎ合わせる手法。セイコーは直径4ミリの穴を1万4000か所設けることで圧力を分散している。

 2012年ロンドン五輪で使用されたオメガ製品は100万分の1秒まで計測可能。写真判定で着順を決める陸上と異なり、競泳は100分の1秒単位での同タイムは同着となるが、精密さを極めることで競技の進化を支えている。

 16年リオデジャネイロ五輪ではマイケル・フェルプス(米)ら3人が同時に銀メダルとなり、手をつないで表彰台に上がる姿が話題を呼んだ。東京五輪では進化する計時がどんな名シーンを演出するだろうか。(北谷圭)

映像技術 レース見やすく

 テレビ中継でプール上を赤いラインが選手と競うようにスライドし、世界記録のペースが示される。今ではおなじみの「バーチャルレコード(仮想の記録)ライン」と呼ばれる映像技術で、五輪では2008年北京大会から始まった。会場の観客にレース結果を分かりやすく伝える工夫もある。12年ロンドン大会からスタート台の側面に三つのランプを設置。メダルを獲得した選手の台が金は一つ、銀は二つ、銅は三つ点灯し、電光掲示板に目を移さなくても順位を確認できる。

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