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東京五輪の聖火リレーは、3月25日のスタートまで2か月を切った。緊急事態宣言の再発令で、大会組織委員会は、今後の感染状況次第で、公道走行を中止する案を検討する。全国の自治体も、観客の集まる著名人のコースやイベントの内容変更など、にぎわいと感染防止の両立に頭を悩ませている。
看板作り直し

「東日本大震災からの復興をアピールするため、今年は無事に始まってほしい」。リレーの起点となる福島県のオリンピック・パラリンピック推進室、庄司康正さん(47)の思いは切実だ。
昨年3月、リレー開始の2日前に五輪の延期が決定。交通規制の看板約400枚、全世帯に配ったチラシ約70万枚など、支出した約2億5000万円の多くが無駄になった。今年は日程が1日前倒しされたため、看板などを作り直す必要がある。

組織委は先月20日、緊急事態宣言や外出自粛要請が出ている場合、走者の公道走行を見合わせる案を提示したが、昨年中にまとめるはずだった具体的な感染対策は決まっていない。
庄司さんは「走者と観客の距離をどの程度空けるかなど、細かな指針がまだないので焦る」と漏らす。
大会を盛り上げるため、タレントやモデルなどの著名人も走る予定。沿道に見物客が殺到する可能性があるため、県は、観客数が制限しやすい競技場などへの変更を考えている。