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東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)が12日、辞任を表明した。発足以来、大会の運営組織を率いてきたが、女性に対する不適切な発言で表舞台を去ることに。後任を巡る混乱も起きており、大会関係者からは「早く騒動を収めて」との声が上がった。
■不満も

「私の不適切な発言が原因で大変混乱した。本当に申し訳ない」。午後3時に始まった組織委の評議員と理事による緊急会合の冒頭、森氏はこう述べ、辞意を表明した。
2014年1月、組織委の発足と同時に会長に就任した森氏。競技会場の見直し、新型コロナウイルスの感染拡大による大会の1年延期――。時折、手元のメモに目を落としながら手がけた仕事を列挙し、会長を務めた7年を振り返った。
「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」。辞任の引き金になった3日の会合での発言については、「女性を
出席者に対し、「本当に情けないことを言った。皆様に大変ご迷惑をおかけした」と謝罪。「命ある限り、スポーツ振興のため研さんしていきたい」と16分に及ぶあいさつを締めくくった。その後、森氏は会合を途中退席した。
■透明性
終了後、組織委の記者会見は予定から約1時間遅れで始まった。武藤敏郎事務総長(77)は、森氏から後任として就任の要請を受けていた川淵三郎・日本サッカー協会相談役(84)が会合中、「辞退する」と申し出たことを明かした。
武藤氏は、森氏が記者会見に出席しない理由を問われると、「(会合冒頭で)大勢の前ではっきり言ったので、会長は十分だと判断されたのだと思う」と回答。森氏が別のポストで組織委に残る可能性については、「全く決まっていない」と話した。
開催都市の東京都。森氏の辞任について小池百合子知事(68)は12日の定例記者会見で、「スポーツ界、何よりも東京大会を引っ張ってきたのは森会長だ。これまでの積み重ねには敬意を表したいと思う」と述べた。
後任会長の選考は世界からも注目されているため、透明性の確保が重要だと指摘。「女性か男性かという問題ではない。多様性と調和について発信し、先頭に立つということが必要ではないか」と話した。