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練習施設はワクチン会場・住民と練習ダメ…五輪ホストタウン、受け入れに難題

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 新型コロナウイルスの世界的な感染が続くなか、東京五輪・パラリンピックのホストタウンなどで海外選手を受け入れる自治体が難題に直面している。練習施設がワクチン接種会場に使用されることになったり、選手の練習相手となるのを避けるよう政府から求められたり……。今月に入り、事前合宿を中止する連絡を受けた自治体もあり、関係者は対策や対応を急いでいる。(今村知寛、井上公史)

1月急転

 福岡県田川市に25日、ドイツの車いすフェンシング代表の関係者から連絡が入った。8月に市総合体育館で行う予定の事前合宿についてで、「館内での選手の動線を図面で示して」などの要望はあったが、合宿に来るとの内容だった。担当者は胸をなで下ろしたが、不安な約1か月だったという。

 事態が急転したのは1月。同体育館が新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場として話が浮上した。保健施設が近くにあることなどから集団接種の適地とされ、2月に正式決定した。接種は高齢者を対象に4月以降に始まり、一般市民に広がる。だが、ワクチンは争奪戦が起きており、立ち遅れが目立つ日本は接種がずれ込む可能性がある。

 市ではベラルーシの車いすフェンシング代表も合宿を行う予定。ドイツ選手団を含め20人近くが同時期に体育館を使うことになる。

 市は館内の大小体育室を、練習用と集団接種用に分ける。出入り口や廊下をパーティションで区切るなどして、選手と市民の接触を避けるための対策の検討に入った。市経営企画課の平塚幸雄係長は「ワクチンを迅速に市民に接種してもらうことが大事。そして、異国の地に来る選手の不安解消に努めたい」と語る。

募る心配

 政府は昨年11月、ホストタウンとなる自治体に感染症対策の指針を示した。選手の移動中や宿泊先の感染防止の徹底に加え、「原則、住民らを練習相手とすることは避ける」との内容が盛り込まれていた。

 心配を募らせたのは、ベトナム代表の女子バドミントン選手を受け入れる予定の山口県下松市。担当者は「合宿には来ず、選手村に直接入ると言われないだろうか」と考えた。市が合宿先に選ばれた大きな理由が練習環境の充実で、地元の実業団選手が練習相手になることが肝心だった。

 選手の来県は6月頃。地元の実業団チーム「ACT SAIKYO」は感染対策を講じて練習相手を務める意向で、「練習できる日を楽しみにしている。選手が実力を発揮できるよう、同じ緊張感で練習に取り組みたい」としている。

マニュアル

 佐賀県は地域独自の対策作りに本腰を入れている。佐賀市や嬉野市などが、フィンランドなど5か国19競技の選手を7月から受け入れる予定で、各自治体に役立ててもらう考えだ。県は今月24日、選手団が宿泊する予定のホテルを視察。担当者から館内の移動方法などを聞き取った。バス会社や医師会など約20の関係機関と協議し、4月にもマニュアルを完成させる。

 沖縄県石垣市は今月、ルクセンブルクのパラ陸上選手団側から合宿を取りやめるとの連絡を受けた。新型コロナの影響が理由だった。イタリア半島の小国・サンマリノとは連絡がとれておらず、市は「見込みは立たないが、マニュアル作りは進めたい」と話している。

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