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今月25日から始まる東京五輪の聖火リレーで、大会組織委員会が、サッカー施設「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町、広野町)での出発式典を無観客で行う方針を固めたことが大会関係者への取材でわかった。観客が密集する恐れがあり、新型コロナウイルスの感染防止のため判断した。
組織委などによると、Jヴィレッジは、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故後の復旧作業の拠点で、「復興五輪」の理念に合致することからリレーの起点に選ばれた。「グランドスタート」と銘打つ出発式典では、ギリシャから昨年持ち帰った火が初めて走者のトーチに点火される。
東京五輪延期前は、式典には首相や東京都知事が出席し、一般客約3000人が集まる中、地元児童の合唱や伝統芸能などで盛り上げる計画だった。しかし、感染が収束しておらず、観客が密集する恐れがあるため、関連行事を大幅に縮小し、出席は関係者に限ることにした。
その後の走者の公道走行は、居住する都道府県内であれば観覧可能。組織委は、他の人と距離を保った上、マスクを着けて拍手で応援するよう呼びかけている。一日の最後に行う聖火の到着式は事前予約制で、人数を制限して行われる。
聖火リレーは約1万人が121日間かけて聖火をつなぐ。全国859市区町村を巡り、7月23日の開会式で国立競技場の聖火台にともされる。