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大橋 初の五輪切符 女子400個メ…競泳日本選手権

  
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 競泳・日本選手権兼東京五輪選考会第1日(3日・東京アクアティクスセンター)――女子400メートル個人メドレー決勝は大橋悠依(イトマン東進)が4分35秒14で制し、初の五輪代表に内定した。2位の高校3年生の谷川亜華葉あげは(イトマン)も初の代表内定。男子400メートル個人メドレー決勝は代表内定済みの瀬戸大也(TEAM DAIYA)が優勝し、2位の井狩裕貴(イトマン近大)が初の五輪切符。女子100メートルバタフライ準決勝では、池江璃花子(ルネサンス)が58秒48の全体3位で決勝に進んだ。

女子400メートル個人メドレーを制し、五輪代表に内定した大橋悠依=原田拓未撮影
女子400メートル個人メドレーを制し、五輪代表に内定した大橋悠依=原田拓未撮影

本番想定 予選から全力

 25歳にしてようやく初の五輪切符をつかんだのに、400メートル個人メドレー優勝の大橋は冷静に振り返った。「世界では戦えない。(夏に)自分が欲しいメダルを取ってこそ、五輪選手と名乗れる」。2019年世界選手権の自身の銅メダルタイムより3秒近く遅く、手放しでは喜べなかった。

 最初のバタフライ、続く背泳ぎまでは、好記録の目安となる2分10秒台でまとめた。だがこの時点で後続に体三つ分ほどあったリードが、少しずつ小さくなった。「ここ3年ぐらいで、一番いい」と言っていた最後の自由形も伸びなかった。

 個人メドレー2種目のうち、400メートルは「金メダルに最も近い種目」。レベルが上がる本番を見据え、珍しく午前中の予選から飛ばした。東京五輪の決勝は午前からで、大橋が苦手とする時間帯で勝負できる方法を体に覚えこませる目的もあった。「挑戦的なことができたのも、成長しているから」。望んだタイムではなかったが、大一番を「試しの場」として体力面の課題が分かったことを前向きにとらえた。

 淡々とインタビューに応じていた大橋だが、練習をともにして信頼する3歳年上の清水咲子(ミキハウス)が3位に終わったことを尋ねられた時、涙声になった。「心が折れそうな時、声をかけてもらった。咲子さんの分も頑張りたい」。五輪で頂点を目指す理由が、一つ増えた。

(北谷圭)

17歳谷川も内定

 17歳の谷川が大逆転で五輪切符をつかんだ。女子400メートル個人メドレーで、350メートル通過は僅差の3位。「めちゃくちゃきついけど、やってきたことを信じる」と自らにムチを入れ、力を振り絞った。ゴール直前、リオデジャネイロ五輪代表の清水をかわしてフィニッシュ。「(五輪は)水泳を始めたころからの夢。実現させることができて、すごくうれしい」。笑顔がはじけた。

女子100メートルバタフライで決勝進出を決めた池江
女子100メートルバタフライで決勝進出を決めた池江

池江3位で決勝へ…100バタ

 3年ぶりの日本選手権出場となった池江は、女子100メートルバタフライで危なげなく準決勝を突破した。「いいレースができた」と納得の表情を浮かべた。

 午前の予選は全体2位で通過し、夕方の準決勝でタイムを0秒20短縮。気がかりだったスタート時の出遅れも、ほぼなくなった。予選も準決勝も、前半から組のトップに立ってレースを引っ張った。

 2019年2月に白血病を公表し、昨年8月にレース復帰を果たした。当時はやせ細っていた体も筋肉に覆われ、トップアスリートの姿になって五輪代表の座を争う舞台に帰ってきた。4日の決勝に向け、「リラックスして泳げると思う。準決勝より速く泳いで上位に食い込みたい」と意気込んだ。(工藤圭太)

 瀬戸「今日は強化の一環で出たが、4分9秒台で(五輪の)金メダルへの手応えを感じられた。五輪で結果を出すことが応援してくれる方への最高の恩返しになる。世界記録を目指して泳ぎたい」

代表内定者

 ▽男子400メートル個人メドレー

 瀬戸大也 26(TEAM DAIYA)2

 せと・だいや 埼玉県出身。早大出。1メートル74、75キロ。

 井狩裕貴 20(イトマン近大)初

 いかり・ゆうき 岡山県出身。近大。1メートル75、70キロ。

 ▽女子400メートル個人メドレー

 大橋悠依 25(イトマン東進)初

 おおはし・ゆい 滋賀県出身。東洋大出。1メートル74、57キロ。

 谷川亜華葉 17(イトマン)初

 たにがわ・あげは 大阪府出身。大阪・四條畷学園高。1メートル59、52キロ。

 ※略歴は種目、氏名、年齢、所属、五輪出場回数、読み、出身地、経歴、身長、体重の順。

 ◆個人種目五輪代表の条件 日本選手権決勝で、日本水連が定める「派遣標準記録」を破って各種目2位に入るのが条件。派遣標準記録は原則、2019年世界選手権の決勝進出タイム。瀬戸大也は同選手権男子200、400メートル個人メドレー優勝で代表を決めており、この2種目は残り1枠を争う。

[松田丈志の目]1年延期 伸びた若手

 五輪を逃したベテランの涙があり、初めて切符に手が届いた若手の笑顔があった。会場は無観客ながら、やはり五輪の選考会だ。一つのレースに競技人生をかけ、何が起こるかわからない緊迫感に満ちていた。

 4年に1度の一発勝負に状態を合わせるのは本当に難しい。そこに今回は五輪延期で想定外の1年がプラスされた。サイクルの変化は、伸び盛りの若手に追い風となったように思う。女子400メートル個人メドレーでリオ五輪代表の清水が高校3年の谷川にわずか0秒21差で敗れ、内定を逃したのはその一例だ。

 僕自身、選考会ではキャリアを通して「4年後にチャンスがあるかどうかはわからない」という気持ちで泳いでいた。今大会ならではのドラマを「1年前ならどんな結果だったか」という視点で見て、その思いをさらに強くした。

 初めて代表に内定した大橋には、だからこそ改めて金メダルを目指せと言いたい。最近は本調子でないこともあり、「何色でもメダルを取れれば」と目線を下げているように感じる。競技人生で最高到達点を狙えるチャンスはなかなか巡ってこないし、狙って初めて見える景色がある。

 (五輪3大会連続メダリスト)

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1959751 1 東京オリンピック2020速報 2021/04/04 05:00:00 2021/04/04 05:00:00 2021/04/04 05:00:00 女子400メートル個人メドレー決勝、優勝し、五輪代表に内定した大橋悠依(3日、東京アクアティクスセンターで)=原田拓未撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210403-OYT1I50122-T.jpg?type=thumbnail
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