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長野県大町市では、市中心部でクラフトビール醸造所「北アルプスブルワリー」を営む
大町市は、ここ10年で人口が約1割減の約2万7000人(2020年3月末時点)となり、中心市街地の空洞化が進んでいる。氏家さんは2年前、長年更地になっていた場所に醸造所兼パブをオープンし、街の活性化に一役買っている。
奈良県出身。学生時代から大町市や白馬村のスキー場に通ったことがきっかけで、サラリーマンを経て37歳の時、県内でスキー場運営会社を設立。経営難に陥っていた大町市内のスキー場の再建にあたった。
その後、経営していた会社を退社。北アルプスの麓にあり、生活用水などの多くを湧水で賄っている同市の水資源を生かそうと、ビール造りを始めた。生産量は年間20キロ・リットルと小規模だが、出荷先のスキー場や宿泊施設からの評判は上々だという。
パブを一時休業するなどコロナ禍の影響も受けているが、それまで後回しになっていたボトル詰めの作業を集中的に行い、スーパーでの販売を始めた。聖火リレーで醸造所の前がルートに組み込まれ、これまで支えてくれた人に感謝の思いを伝えようとランナーに応募した。
沿道に手を振りながら商店街を巡った氏家さん。走り終えると、「この感動を地域で共有して、笑顔のまちづくりに生かしたい」と晴れやかな表情だった。