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東京五輪の聖火リレーが13日、大阪府内で始まった。「自分の走る姿を多くの人に見てもらうことで、障害者スポーツを身近に感じてほしい」。50歳を超えてマラソンデビューした義足の市民ランナーの松本功さん(62)(大阪府吹田市)は、雨の中、トーチを手に力強く走った。
生後まもなく、右足の裏に悪性腫瘍があることが判明。切除手術を受けたが、9歳で再発し、右膝から下を切断した。「大好きなサッカーができない」。マイナスなことが次々と頭に浮かんだが、リハビリに励み、5か月後には義足をつけて軽く走れるようになった。だが、当時はスポーツ用義足が存在せず、スポーツと無縁の日々が続いた。
50歳で出会ったスポーツ義足「楽しい」

転機は、50歳の時。神戸市内の専門学校で、義足作りを学ぶ学生の授業に協力するようになり、研究者から「スポーツ用義足を作るので、走ってみませんか」と勧められた。
義足を履いて全力で走ると、体が跳ね上がるような初めての感覚が心地よかった。すぐに息が上がったが、「年齢は関係なく、練習に取り組むだけ力がつくのが楽しい」と感じ、毎日トレーニングを重ねた。
2011年に神戸マラソンに参加して完走。「沿道からの応援というマラソンの
この日は「義足をよく見てもらえるように」とあえて短パンを選び、義足のソケットのカバーは、日の丸をあしらった特別のデザインで臨んだ。「スポーツ用義足との出会いがなければ、人生は大きく変わっていたし、聖火ランナーも絶対にやっていなかった。感謝の気持ちでいっぱい」と話した。