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ホストタウン「五輪どころでないかも」…事前合宿予定のミャンマー、クーデター後に連絡とれず

  
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 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、埼玉県内の自治体で、東京五輪・パラリンピックの事前合宿の中止が相次いでいる。上尾市と伊奈町は10日、オーストラリアの柔道代表の事前合宿中止を決定。キューバの格闘技系種目の選手団が事前合宿をする予定だった東松山市も、12日に同国側に受け入れ断念を伝えた。ホストタウンになっている自治体でも予定通りに交流が進まず、担当者は頭を抱えている。

 県内で五輪の事前合宿地となっているのは19市町で、このうち18市町はホストタウンにもなっている。

キューバ側や大東文化大と事前合宿の合意書を締結した、東松山市の森田光一市長(中央)(2019年8月)=東松山市提供
キューバ側や大東文化大と事前合宿の合意書を締結した、東松山市の森田光一市長(中央)(2019年8月)=東松山市提供

 東松山市では今夏に、キューバのテコンドーやレスリングなど格闘技系の選手団が訪れ、同市岩殿にある大東文化大キャンパス内のトレーニング施設で練習する予定だった。

 だが、コロナ禍で学生の通学にも制限がかかる中、大学側が選手団の受け入れに難色を示した。市内には代替施設はなく、市は事前合宿を断念。今月12日、大使館を通じて正式に意向を伝え、了承を得たという。

 同市はキューバのホストタウンにもなっている。昨夏には市内でキューバを紹介するパネル展を開く予定だったが、五輪延期で中止した。ホストタウンとしての活動は、小中学校の給食でキューバ料理を提供したくらいだ。市担当者は「ホストタウンらしいことがほとんどできていない」とため息を漏らす。

 上尾市と伊奈町には4月下旬、オーストラリア側から事前合宿中止の連絡があり、今月10日に中止が正式決定した。両市町は同国のホストタウンにもなっており、伊奈町では2019年1月、ジュニア世代の選手らが町内の小学校を訪れて交流した。上尾市も、19年8月には市民らの柔道教室に選手を迎え、交流の場を設けた。伊奈町の担当者は「ホストタウンとしての関係は変わらないので、何かできることがあればやりたい」とする。

 一方、相手国側と綿密な連絡を続け、「予定通り事前合宿が可能」とする自治体もある。ブラジルのホストタウンでもあり、陸上競技やボクシングなど複数の競技の選手が訪れる予定の新座市は、19年4月にブラジル人の国際交流員を任用し、同国側とほぼ毎日のようにメールで滞在計画についてやり取りしてきた。

 コロナ禍で交流イベントは減ったが、今年2月に選手団への応援メッセージ動画をインターネット上に公開したほか、大会期間中には市内飲食店がブラジル料理を提供することも予定している。市担当者は「コロナ前とは雰囲気が異なるが、交流を盛り上げていきたい」と話している。

       ◇

 現段階で正式に事前合宿の中止を決定している3市町以外の自治体でも「相手側との連絡が途絶えた」「感染状況を不安視されている」などの理由から、合宿の実施や交流事業の継続が不透明となっている。

 トルコのパラテコンドー選手団が8月に事前合宿を予定していた本庄市は、トルコ側とメールやオンライン会議などで頻繁に連絡を取っているが、日本国内の新型コロナ感染拡大に「思うような条件で合宿ができないのでは」との不安を伝えられた。今月中には、実施の可否が決まる見込みだ。

 今年2月にクーデターが発生し、政情不安が続くミャンマーのホストタウンとなっている鶴ヶ島市では「相手国側と連絡がとれていない」と頭を抱える。市は同国大使館職員らを大会に招待する予定でチケット代など約40万円を予算に計上済みだったが、クーデターの影響もあり、窓口となる大使館と連絡がとれていない。19年に市を訪れた柔道と陸上競技の選手が無事かどうかも今月12日時点で確認できていないといい、市担当者は「五輪どころではないのではないか」と不安げに話す。

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