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「浜っ子」大役堂々と、水木しげるロード力走…第1走者・佐々木正さん

   
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 東京五輪の聖火リレーが21日、鳥取県内で始まった。新型コロナウイルス対策で多くのルートが短縮された中、ランナーたちはそれぞれの思いを抱きながら、境港市から倉吉市まで聖火をつないだ。22日は琴浦町を出発し、鳥取市でゴールする。

トーチに点火してもらう鳥取県内第1走者の佐々木さん(境港市で)
トーチに点火してもらう鳥取県内第1走者の佐々木さん(境港市で)

 「境港の海の素晴らしさと魚のおいしさをアピールしたい」。そんな思いを胸に、県内のトップを切って漁師の佐々木正さん(54)が、境港市の水木しげるロードを力走した。

 生まれも育ちも境港市という生粋の「浜っ子」。船大工だった父親の仕事ぶりを見て育ち、「いつか自分も船を持ちたい」という夢を抱いた。漁船のエンジンを修理する会社に勤めていたが、42歳で中古の漁船を手に入れ、沿岸漁業の基地・中野港から小型底引き網漁に出るようになった。

 「素人だけん、最初の半年は全然取れんかった」。網を何度も破り、網を広げるさおも何本も折ったが、ベテランの漁師がどこでどんなふうに網を入れるかを見て学び、コツをつかんだ。「一度きりだが、高級魚のオキメバルが大量に揚がり、一晩で40万円ぐらいになったこともある」と笑う。

 ヒラメやタイ、カレイなど朝どれの新鮮な魚介類を消費者に直接販売する「さかいみなと中野港漁村市」を、実行委員会の会長として2013年から続けてきた。しかし、昨年と今年は新型コロナウイルスの影響で中止せざるを得なかった。

 「新型コロナが早く収束し、来年からは漁村市を再開できるように願って走った。県内最初のランナーなので、『足をくじいたらいけないなぁ』と、そんなことばかり考えていた」。大役を終え、日焼けした顔をほころばせた。

社会復帰、歌で支える…女性デュオ「ペペ」Manamiさん

沿道に手を振りながら笑顔で走るManamiさん(倉吉市で)=前田尚紀撮影
沿道に手を振りながら笑顔で走るManamiさん(倉吉市で)=前田尚紀撮影

 刑務所や少年院でのボランティアコンサートを500回以上続け、「刑務所のアイドル」とも呼ばれる女性ボーカルデュオ「Paix2(ペペ)」のManami(本名・北尾真奈美)さんが、古里の倉吉市を走り、元受刑者の社会復帰への支援を呼びかけた。

 地元ののど自慢大会に出たのをきっかけに、琴浦町出身のMegumi(本名・井勝めぐみ)さんと、フランス語の「paix(平和)」から名づけたデュオを2000年に結成。刑務所への慰問は、デビュー直後、倉吉署で一日警察署長を務めた時に、署長から勧められたのがきっかけだ。

 「舞台慣れにいいかも」と最初は軽い気持ちで引き受け、各地の刑務所を回る「プリズン・コンサート」を始めた。交通費や宿泊費は手弁当で、音響機材を積んだ車で全国を回った。

 最初の頃は反響もなく、「何のためにやっているのか」と心が折れかけたが、そのうち、元受刑者から「出所しました」「次のコンサートはどこですか」などと手紙やメールが届くようになった。出所後に会いに来た元受刑者から花束と共に手渡された手紙には「刑務所に出たり入ったりしたが、コンサートを聞いてまじめに生きていこうと思った」とあった。

 活動が認められ、2014年には法務省から保護司に任命された。イベントなどで社会復帰を支援する保護司の活動を知ってもらう活動に力を入れる。

 受刑者の再犯率を下げるには、出所後の支援をどう充実させるかがカギとなる。「自分たちの活動が、罪を悔い改めようと頑張る人たちへの理解を広め、優しい社会に変えていく一助になれば」と願う。

 走り終えたManamiさんは「コロナが収束したら、トーチを持ってまた刑務所を回りたい」と語った。

未来の鉄人、育成に力…元五輪トライアスロン選手・小原工さん

手を振りながら皆生温泉を走る小原さん(米子市で)
手を振りながら皆生温泉を走る小原さん(米子市で)

 2000年のシドニー五輪に出場し、「ミスター・トライアスロン」として知られる小原工さん(54)は、自身が3度優勝した全日本トライアスロン皆生大会の舞台でもある米子市の皆生温泉を、トーチを手に笑顔で駆け抜けた。

 同市出身。中学は競泳、高校と仙台大では水球に打ち込み、駅伝に駆り出されることもあった。大学3年の時、「自転車を買えば自分もできるかも」と〈鉄人〉を目指すようになった。大学卒業後に帰郷し、1990年の皆生大会に初出場。その2年後には優勝を果たした。

 1メートル63の小柄な体で世界の強豪に立ち向かい、アジア選手権では5回優勝。2000年のワールドカップで日本人男子初の銅メダルを獲得し、シドニー五輪で日本人最高の21位になった後、日本トライアスロン連合から「ミスター」の称号を贈られた。現役を引退した今は、地元チームのヘッドコーチとして小中高生約50人を指導する。「この地から五輪で活躍できる選手を育成する」のが夢だ。

 シドニー五輪では米子からだけで40人以上が現地に駆け付けてくれた。この日は応援への感謝の思いを込めて走り切り、「地元から選ばれている選手をはじめ、東京五輪に出る全ての選手にエールを送りたい」と、すがすがしい表情で語った。

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2070242 0 東京オリンピック2020速報 2021/05/22 05:00:00 2021/05/22 11:09:10 2021/05/22 11:09:10 伊達市長(左)から聖火の火を受け取る佐々木さん(境港市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210521-OYT8I50104-T.jpg?type=thumbnail
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