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北海道内での東京五輪の聖火リレーは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、公道での実施が中止され、13日は白老町のウポポイ(民族共生象徴空間)、14日は札幌市中央区の北3条広場(アカプラ)で、無観客の点火セレモニーが行われた。セレモニーでは、2日間で18市町を巡るコースを走る予定だった約200人の氏名が読み上げられ、両日ともその中から選ばれた代表者1人ずつが聖火皿に火を
札幌市では14日、鈴木知事や秋元克広・札幌市長らが出席し、アカプラで点火セレモニーが開催された。
セレモニーでは、札幌市内を走るランナーでは最年少だった同市豊平区の札幌市立陵陽中2年、湯川
鈴木知事は、公道でのリレーの実施を見送ったことについて、「まさに断腸の思い」と語り、「この聖火が我々の明るい未来を照らすことを心から願っている」とあいさつした。
白老町では13日、ウポポイ職員で舞踊グループリーダーを務める山道ヒビキさん(32)が、「オンカミ」と呼ばれるアイヌの拝礼のしぐさで、トーチを上下に3回ゆらした後、聖火皿に火をともした。
「走れなかった走者の思いを受け取り、同時に『オンカミ』で感謝の思いを込めて点火した。いろいろな文化があることを伝えられた」と満足そうに話した。

平取町出身。幼い頃から民族文化に触れ、現在はそれを伝える役を務める。ウポポイ発足とともに職員として体験交流ホールで実際に舞踊を演じたり、指導役を務めたりしている。
セレモニー会場では同じウポポイ職員の妻マナさん(33)が、この日に生後4か月を迎えた長女かえかちゃんを抱いて夫の姿を見守った。
山道さんによると、「かえか」は、アイヌ語で糸と糸を紡ぐことを意味するといい、その通りに人と人をつなぐ存在になってほしいと願いを込めた。
山道さんは「全国各地をつないできた聖火リレーもまた、文化の伝承に似ている」と語った。「天から役目なしに降ろされたものは一つもない」というアイヌのことわざを引用し、「『伝える』ことが私の役目。それができてとてもうれしい」と笑顔を見せた。