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東京オリンピックの聖火リレーが16日、岩手県内で始まった。1日目は雫石町をスタートし、東日本大震災で被災した久慈市までの10市町村で聖火をつないだ。県内のリレーは18日までの3日間。
岩手町を走った早野みさきさん(35)は2008年の北京五輪ホッケー日本代表。「支え続けてくれた町のみなさんのおかげ。今度は私が走ることで、東京五輪を盛り上げたい」と、リレーへの参加を決めた。

旧姓は小沢。1970年の岩手国体で、ホッケー会場になった岩手町出身。町の悲願だったオリンピック選手になった。しかし、五輪後は、日本代表の選考会で落選。その後も何度も選考会出場を打診されたが、断った。「落ちるのが怖かったから」。今は挑戦しなかったことを後悔している。地元に戻り、16年の岩手国体までプレー。現在、銀行で外回りをしている。
ランナーに選ばれると、町で「聖火走るんだってね」「どこ走るの?」と声をかけられることが増え、皆が楽しみにしているのを肌で感じた。東京五輪では、町出身の3選手が同競技に出場予定だ。地元の盛り上がりが選手の力になることを知っているだけに、一歩一歩に力が入った。走った後は、これまでの後悔も消え、「気持ちの整理ができた」と爽やかな表情を見せた。